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日本家族再生センター

支援・援助論 面会交流

会うのは何のため? 面会交流の意味

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離婚や別居で一方的に子供と引き離された親にとって、引き離しは拉致や誘拐と変わらない残酷な現実でしょう。それは、今の日本の法律や制度が家族の一人一人の人権を保障しないものになっているから、当然といえば当然の結果で、引き離した相手が悪いと責めてもあまり意味はありません。

法律や制度を自分たち一人一人のためのものにしていくだけの政治的な意思や力が国民にないというその帰結でもあります。で、その問題に気づいた人が法律や制度を変えていこうとするのも当然のことで将来的にはその作業なくして、引き離しの悲劇を防ぐこともできないでしょう。

けれど、今、目の前の悲劇に対して成し得ることとして、(有効性の低い)司法の判断をもとめて法的対応にはいる人も少なくないことでしょう。その結果の司法判断としてある程度の面会条件が提示されるわけだけれど、所詮司法はジャッジがその機能、ジャッジに根拠も理念もあるように思えません。往々にして理不尽な判断が出されるけれど、その理不尽な状況に納得もできず、司法の場での争いがつづき、葛藤はさらに高まる、そんなケースも少なくないように思います。

当事者にとっては、目の前の子供に会えないという現実が問題であって、とりあえず会うことが目的化するのも当然といえば当然でしょう。けれど、ここで忘れてはいけないのは、面会の目的は子供の健やかな人格形成や親子としてのアイディンティテイー形成もあるということです。親のためだけに面会をするわけではありません。

親はたまにしか会えない子供にとって良かれとの思いで、教育的態度で接したけれど、数年後に子供が成長し、みずから手紙を書いて「面会は意味も感じられないしもうしたくない」と拒否してしまった、そんな事例もあります。

私もそのことを危惧してたので面会の条件を変更すべく働きかけたけれど、養育親の考えを変えるに至らず、あまり良くない条件での面会を続けていたが故の結果で、誰が悪いというものではありません。

子供自身が楽しく、好奇心や別居親に対する愛着感情が満たされる面会であれば、思春期くらいまでは子供の方から面会を拒むことにはならないように思う私です。逆に言えば思春期になれば、男女にかかわらず、親子の関係より、友人やクラブの先輩、教師などとの関係の方が重要になってくるので、面会の必要性を感じなくなるのも当然のような気がします。

このあたりを考えていくと、面会の回数や時間も大切だけれど、面会の質、内容が時間回数以上に実は重要なのかもしれません。そういう意味でも面会の時間を最大限有効に使えるよう別居親も子供に対する理解や対人スキルのスキルアップをして欲しいものです。

そういう意味で、私は面会交流を単に親子が会うというより、親子でいろいろ新しい体験を重ねたり、社会性を自然に身につけたりする機会に出来たらいいなと考えています。

ということで、いろんな当事者が集まるグループワークやキャンプなどを面会交流の場にしたり、こちらのシェルターを利用して親戚の家族も集まるお泊まり会を兼ねた集まりにしたりと、いろんな形で面会を進めることが可能です。

先日も、面会のパパと子供だけではなく、子供の従兄弟たちもやってきてお泊まりの面会となり、みんなでお料理したり、お掃除したりと、家族責任についてみんなで楽しく体験を重ねてくれてました。こんな面会を続けることができたら、きっと思春期になっても、もう面会はいらない、というのではなくて、子供の方から、なにかやりたいから手伝ってくれ、なんて言い出すんじゃないかな、そんな気がします。

そういえば、15年ほど昔、マサチューセッツの視察旅行でビジテーションセンターを見学した時に、当地のスタッフが「利用者の子供が大きくなって、センター以外で勝手にパパに会いに行くようになって困ってるの」なんてこぼしてたけれど、それを聞いて、いい面会ができてたんだねって、少し嬉しくなった私でした。

だから、子供にあまり会えなくてつらい思いにとらわれている親に、会えた時にはいい面会に出来るよう、対人スキルやコミュスキル、なにより子供と楽しめるネタやら子供と一緒に感動できる感性を磨いて欲しいと思います。だから、よその子ともしっかり遊んで欲しいし、自分の人生や暮らしを楽しむゆとりも身につけて欲しいと願わずにいられません。

 

 

 

 

 

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