私の行うセラピーはユングやフロイト、ロジャーズや認知行動療法やナラティブ(社会構成主義心理療法)の先を行く世界で最先端、世界で唯一の「メンズカウンセリング」です。
これはフェミニストの言うように、個々の当事者の症状は病理社会に由来するからその社会の抑圧構造から解放することがセラピーになる、ということにおいては同じような構造を有していますが、フェミニストと異なるのは、抑圧構造としての男性権力社会の問題の本質は性別ではなく、権力そのものであり、性別とは関係ないと言うこと。
男でも権力を失えば抑圧され病理化するし、女であれ権力を持てば男女関わりなく、弱者を支配し、コントロールするということ。ここはフェミニズムではなく、男性論あるいは男性学として、フェミニストとは違った男性の視点でジェンダー問題を解析していく必要があります。
それが34年前の男性運動のスタートとしてメンズリブに関わった男性研究者の責務だったように思います。ところが彼らはフェミニストとの対立を避けるために男性当事者の視点を捨て、すでに社会的権力者として成り下がっているフェミニズム・行政に擦り寄り、自分達の社会的成功を目指しました。
今はみなさん立派な大先生に成り果てています。あのセンセも、あのセンセも、あのセンセも・・嗚呼・・彼らはアカデミズムの雄として権力をふるい、男女当事者を抑圧する立場に君臨しています。
34年前男性権力支配を手放そう?と真顔で語ってそれを実践し続けたのは、気がつけば私一人でした。そして十二年前私を潰すために退職したスタッフがセクハラをでっち上げて私を民事提訴したのを機に、行政も彼らも一斉に私との関係をたち、以降私はアカデミズムからも行政からも完全に干されてしまうことになりました。
まあ、私にはいい経験になったし、彼らを気にすることなく権力支配を批判できるのでセラピーとしてはずいぶんやりやすくなったし、実際そのあたりから少しずつクライアントの数も増えていくことになります。
しかしながらコロナ騒動のあおりやら私の癌での入院なども続いて、クライアントはいっときの1/3程度に減少してしまいました。再生センターの運営としてはかなり厳しくなりましたが、連れ合いが、連れ合いに借りてたセンター購入時の借金返済をチャラにしてくれたことで、大きく赤字が嵩むことなく運営を続けることができています。もちろん私の給料はゼロというのは相変わらずです。
こんな私だからメンズカウンセリングを難なく提唱し実践できるのだけれど、世の権力構造に依拠して生活しているセラピストには、セラピーに権力構造を持ち込まないということすら矛盾してしまうのです。なぜなら、知識や名声、資格や権威で護られたセラピストと、世の差別や抑圧から貧困生活を余儀なくされているクライアントがセラピールームで対峙した時、その瞬間にすでに権力構造が発生しているのですから。
メンズカウンセリングに於いてこの問題を回避するとすれば、セラピストが権力構造に依存しないと生きていくことのできない弱い存在であることを自覚し、差別抑圧構造の中で生き抜いているクライアントに対しワンダウンポジションで、クライアントの存在の尊厳を伝え、その人生物語から学びを得ようとする謙虚さを持てるかどうかでしょう。
まあ、そういう意味で、たいていのセラピスト・専門家センセイにはできるはずのないセラピーがメンズカウンセリングです。けれど、当事者が力をつければ、世間の権威やら権力構造とは関わりなく、セラピーを行うことが可能になります。体験を共有することが容易くなるのだから。
そんなこんなで、メンズカウンセリングとはセラピストにとってはとても困難なセラピーだけれどクライアントにはとっても心地よく、回復の可能性の高いセラピーと自負しています。
そういうわけで、メンズカウンセラー(メンズカウンセリング協会認証カウンセラー)を名乗るのはとても難しいことで、認証されるには、認証研修会において自身のカウンセリング実践、対人支援実践の報告を前提に研修参加者の認証を得なくてはなりません。また、認証期間も二年間と期限を設けており、実践がメンズカウンセリングの理念から外れてないか問い直すこともしています。
最近、講座や研修にも参加することもなくこの認証も受けていないにも関わらずメンズカウンセラーと名乗る人たちも出始めているようですが、その人たちのセラピーではメンズカウンセリングの本質的なセラピー体験は不可能ですので、メンズカウンセリングとしてのセラピーを期待されませんようにここにお伝えしておきます。
ああ、そうそう、しばしばきかれる基本的な質問がありますが、それはメンズカウンセリングは男性しか受けられないのですか、とか、カウンセラーは全員男性ですか、とかの質問です。メンズカウンセリングは男性論に基づいたカウンセリングという意味であつて、セラピストやクライアントの性別を問うているのではありません。どちらにおいても男も女も存在します。フェミニストカウンセリングと異なり、性別に関わりなく支援するのがメンズカウンセリングです。
メンズカウンセリングに興味のある方・・とりあえずグループワークに参加されるか私や他のメンズカウンセラーのカウンセリングを受けるかしてみてくださいませ。当事者はもちろん、援助者でもカウンセラーでもお気軽にどうぞ・・・お待ちしています♫