私の支援は基本、修復的支援。特に家族で戦い傷つけ合うのは避けたいところ。けれど、世間にはその修復的支援はどこにもありません。むしろ、行政の相談も弁護士も裁判所も対立や相互不信を煽り家族解体、分離強化の支援ばかり。法的決着をつけたところで、家族の相互不信は深まり、傷つきやら憎しみのみが残されます。
そんなことにならないよう、どちらか一方の価値観に巻き込まれず、中立的な立場で対話を促進し、相互理解を進めます。特に、離婚だの別居だの、再同居だの、家族の大切な決定には家族全員の意思が尊重され、納得の上での合意形成をすすめます。
何年も前、離婚の話し合いに小四の子供も一緒に家族会議しようと促し、まず、子供の思いを話してもらいました。パパとママが仲良くして欲しいとのことだけれど、パパとママは一緒に暮らすと返って辛くなるから仲良くするためにはうちを二つにすることにしたんだ、と説明して、子供が離婚を嫌がる理由を聞きました。学校が変わるとか、友達と会えなくなるとか・・
その子供の願いを極力叶えるために、長期休暇の時はずっとパパの元の家に帰って暮らしてお友達とも遊ぶし、そうでないときは新しい学校に行って、新しい友達を作る、ということで、子供も了解してくれました。その子供の思いをパパもママも極力叶えるという約束で、みんなが納得した離婚になりました。
その後、この家族、約束通り、パパとママと子供は、家族の形は変わっても、家族としては関係がか切れることなく続いています。
昨日のカウンセリングでも、ワークやカウンセリングで回復中のDVパパと別居中のママと、二人の子供たちでの家族会議となりました。私がこれまでの経緯を子供たちに説明して、パパとママの思いを語ってもらった後、子供たちの思いも語ってもらいました。やはり、子供たち、パパとママと仲良くして欲しいとのこと。そして、そのために、今は別居してるし、そのためにパパとママがカウンセリングを受けていること、少しずつパパとママの問題も改善しつつあること、などを説明して、それぞれのこれからの目標も語り合いました。今はまだ回復の途上だけれど・・希望はあること、諦めないことをパパもママも約束し、パパも子供たちにしんどい思いをさせたことを謝り、ママも力ない両親なのに心配しながら見守ってくれてる子供たちに感謝の言葉を伝えることができました。
家族に大きな問題が起こったけれど、その問題から逃げて相手をせめて争うのではなく、問題を終わらせるべくパパもママも頑張ってここまで成長できたこと、これからも家族としてさらに成長していくだろうこと、そんなパパとママの成長のプロセスは子供たちに取っても、家族の危機やそこからの脱出、回復の姿を学ぶ大切な機会になるだろうし、子供たちが将来家族を作る時にはとても大きな財産になっているだろうことを、私は家族に伝えさせていただきました。
この家族、私につながってほぼ一年半・・・一年半のプロセスが長いのか短いのかわからないけれど、きっとそれぞれにとって貴重な時間になっているだろうと確信させていただきました。私もこの家族から多くを学ばせていただきました。ありがたいものです。
夜行バスでパーキングもいっぱい