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支援・援助論

やれやれ・・虐待促進だわっ・・虐待報道

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このところの虐待死事例の報道にはうんざり・・・視聴者の感情を煽り、加害者に対する怒りや義憤をたぎらせる・・・それで虐待がなくなるのか、そんなバカな。視聴者の自己満足に過ぎず、虐待防止には役に立たないばかりか、虐待の構造を強化し、虐待を増やすことになってしまいます。

今回の被害児の不幸は看過できないけれど、毎年100件ほどは虐待死があるし、実数はその三倍程度という意見もあります。とはいえ虐待死が多かったのは60〜70年代で現在の四、五倍の件数があります。その数を単純に比べるわけにはいかないけれど、この十数年の虐待認知数の増加と半世紀の虐待死の減少を、冷静に分析しないと、虐待の本質は見えてきません。

私の推論を結論として書くなら、戦後の経済的発展に伴う所得拡大とここ十数年の所得格差の拡大という経済的な問題(マクロ)と、虐待防止法、DV防止法の乱用による家族機能の崩壊という心理的問題(ミクロ)な問題が虐待問題の本質です。

被害児が可哀想だとか、鬼畜の親を許すなとか、児相の責任論とか・・そんな思考でこの問題が終わるわけではありません。その思いを否定するわけではないけれど、本当に子供達の命のことを考えるなら、感情を煽られるのではなく、冷静に現実と向きあつて欲しいものです。

加害者がなぜ加害者になったのか、その歴史には社会の様々な問題があります。貧困、差別、労働過密、社会的孤立、偏見、単独親権、親子引き離し、養親、などなど、様々な社会病理の現実があり、その病理社会の中で個々の家族が孤立し、孤立した家族の中で暴力的に育てられた子供が成長し、対人スキルも対話スキルもなく、支援に繋がれないまま、依存的な夫婦関係をつくりさらに孤立していくという負の連鎖があります。その結果の事件です。

当事者の善悪の認知や、愛着や暴力という感情の問題にだけフォーカスして事態を理解しようとしても、虐待防止には無意味どころか有害です。

マクロな問題に蓋をし、当事者の問題とするミクロな視点だけで解決を目指すと、新たな利権構造が出来上がるだけ。その構造はマクロな理解を阻害するので、虐待がなくなるどころか、増えることが危惧されます。

この二十年ほど、DVや虐待に関して当事者の視点で支援し続けている私には当たり前のことだけれど、利権構造の一部をなす専門家の方たちには理解できない、したくない現実なのでしょうねえ・・きっと。そして、そんな専門家の言説で視聴者の感情を煽るマスコミと・・・

これでは、こどもが百人死んでも千人死んでも、何も変わらんでしょうねえ・・通報した善意の隣人やらテレビの前で義憤に涙する方たちの自己満足にしかならずに・・事例に関わる方たちの利権構造が潤うだけかぁ・・やれやれ・・

今回の5歳児だけではなく、貧困や暴力、テロや内戦で殺される子供達が世界にどれだけいることか・・その問題と私たちの安逸な日々と無関係ではありません。全ての子供達が安心して暮らせる世界を作るために、私たちに何ができるんでしょうねえ・・今の無力な私には祈りしかないのかもしれないけれど・・・。目の前のできることはやり続けたい。

 

 

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