DVやモラハラなどパートナーの暴力で傷ついた被害者が、加害者のコントロールから逃れて、私のところに来られます。そんな方は安全な場でやっとその傷つきや痛みを語ることができます。
その体験や思いを語ることで、回復が始まりますが、過去体験の痛みは怒りに転ずるし、加害者に対する怒りや憎しみの感情も出てきます。
別居や離婚で、安全は確保されたとしても、怒りの感情や突然フラッシュバックするときの恐怖や不安からは逃れられません。そのどうしようもなさは、時間が経っても終わることはありません。たとえ、セラピーを受けても、被害当事者同士で語り合っても。
そんな当事者が本当に回復するために、私は当事者の怒りの感情を引き出した後は、善悪の価値判断や家族意識など自分の価値観の問題に向き合ってもらいます。
それは、なぜ問題が起こったのか、家意識やら、家族役割意識、コミュニケーション不全、勤務状況など、様々な問題について自己洞察していただくこと。単純に自分は被害者だと思っていても、自分が相手に依存していたり、相手をコントロールしていたり、自分には自分の相手には相手の問題があり、その問題が絡み合って、暴力的な関係になっていったという事実は、単純に加害者・被害者とラベリングできないという現実にも思い至ります。
そんな作業をするためには、DV問題を単純に善悪で語らない支援が必要だし、いわゆる加害者と被害者がちゃんと対話を重ねていく作業が不可欠。しかも多様な家族モデルの提示される中での対話です。けれど、それは行政の指導に従う限り実現不可能。
行政に頼らない私が、そんなことを可能にするセラピーとして行うのが月一恒例の昨夜のグルメナイトでした。
メニューはいつものように50品ほどでスタンバイ。
昨夜はいつもより参加が少なくて、大人9人こども6人うち女性は六人男性三人と言うバランス。女たちは全員離婚歴のある方たち。その一人が「離婚しても結局モヤモヤはとれなくて、こちらのワークやグルナイに関わり出して、問題がはっきりわかるようになってやっとスッキリできた」と話されていました。
被害者意識で相手が悪いと責めているうちは、ほんとの解決も回復もないってことですね。不安や怒りから解放され、フラッシュバックすることもなく、どんな相手とも対等に向き合い対話できるようになるまで、本当の回復とは言えないのではないか、そんな思いを昨夜も確認させていただきました。
大人たちのおバカな語りの傍で、徹夜でゲームに興ずる子供達。なんと非教育的な・・・