結婚してて色々問題が起こるのは誰にもありうること。性格の不一致とか、暴力とか、借金とか・・・目先の問題、目の前の相手の問題に思えたら、自分の問題には思い至らなくなるし、相手さえいなければ問題解決、と思えてしまいます。当然と言えば当然。
で、離婚となるわけだけれど、離婚してみんなハッピーかというと、そんなことはありません。結婚していた時の利益やメリットも失ってしまいます。特に子供を抱えてシングルママになった女性が、経済的に逼迫するというのはよくある話。
この辺り、離婚するにしてもしないにしても、安易に相手の問題として切り捨てててしまうことは危険です。結婚していることのメリット・デメリット、離婚することのメリット・デメリット、色々ありますし、それを冷静に検証する必要があります。
その際に、問題は相互の関係の中で発生しているとしたら、問題を理解するには、相互理解が不可欠。誤解や思い違い、知らない事実などなど出し合いつつ、問題点を確認し、その問題を終わらせることと、最善の距離感や関係を、相互に納得しつつ決定していくことができれば、傷つけあって修復不能な家族崩壊になるのを防ぐことができます。そしてその受益者は子供です。
けれどこうした修復的な視点に立つ援助者は存在しません。弁護士は法的闘争、相手を悪者にして金を取るのが仕事。離婚させることで成功報酬が得られるのだから。もちろん全てが悪徳というわけでは決してありません。相互の傷つきを深めないよう、対話や相互理解を重視する弁護士もいるでしょう。
けれど、これまで私が関わってきたクライアントの話からすると、相手方の考えや思いは一切伝えてもらえない、こちらの思いも伝えてもらえない、ただ金の話だけで進められるという弁護士が圧倒的に多いというのも事実。
法的に決着しても、司法の場で傷つくばかりで、お互いが納得してなければ子供との面会にしても養育費にしても、誠意をもって対応するのがバカらしくなってしまう、というのも当然と言えば当然。
相互理解や信頼の薄い家族では、結婚の維持も大変だし離婚もまた大変。だけれど実は離婚後がさらに大変です。離婚に当たって、相互の親族とは敵対関係になってしまうし、婚姻で得られた利益も失ってしまいます。頼りにした実家も思ったほど力はないどころか、子育てしながら実家の親を見なくてはならないということにもなりかねません。
家族で争って家庭が焦土になるような支援は支援ではないでしょう。家族の形はどうあれ、家族みんなが幸せになれるような修復的支援こそ望まれるけれど、そんな支援をしている人はほとんどいませんしね。
離婚後に子供に会えないとその辛さを語る方も少なくないし、対人不安や経済問題、子供に対する葛藤で悩む方も少なくありません。いったいその方たちにとって離婚はなんだったのか・・・。
安易に離婚することはお勧めしませんが、傷つけ合う家族を維持することもまたお勧めできない私。こんな私は「結婚するにしても離婚するにしても、相互理解、相互信頼が何より大切、お金とか、家とか、籍とかではありません」といい続けてるけれど、家族ファンタジーに取り憑かれてる方にはなかなか通じません。
そのあたりをきちんと理解して・・修復的支援をできる援助者・・・育てたいですね。というわけで元旦・二日に、お泊まり研修・・・来年もやります。徹底的に・・・お伝えします。修復的支援に興味ある方、当事者援助者、男女は問いません、怖いもの見たさ、冷やかしでもけっこう、覗いてみてくださいねー。
自立する卵たち。常識から解放されたらこんなこともできるようになる?