選挙は参院選から都知事選に。マスコミ報道のバイアスもみえみえだし、客観的な情報も得られないで主観的、感情的な反応をするネットユーザーたち。選挙というのは、冷静な政策分析とか緻密な判断が求められるけれど、選挙民は感情的な判断をしてしまう。これは英国のEU離脱国民投票にも見られたように、離脱派は根拠なき公約を垂れ流したし、投票後にEUってなんだというネット検索が増えたという事実からわかります。
かといって選挙は無駄と言うのも乱暴な話。クーデターで国を変えるのは国民の痛みが大きかろうし、独裁政治が必ずしも国民にとっていい政治を行うとも思えません。内戦の頻発する国々の困難や北朝鮮のような独裁国家でどんな人権侵害が行われているか、それは言わずもがなでしょう。
民主主義は権力を国民の付託に由来するものという仕組みであり、人類の偉大な発明品なのだろうと思います。とはいえ、民主主義は使いこなすのもけっこう難しいのかもしれません。権力に支配されない思想、情報解析能力が選挙民に求められますから。
けれど、権力は情報を管理し、冷静な判断を不可能にします。すでに日本はマスコミが権力にコントロールされていて、政権に不都合な情報は出てきません。こんな状況では、ネットで得られる情報は貴重です。とはいえ、ネットはリアルなリスクを回避できるので、ゲスな感情に支配される人たちも少なくありません。
ネトウヨが挑発し、それに煽られておバカな反応をする人たちも少なくないでしょう、不毛で下劣な論争に辟易として選挙そのものに嫌気を感じてしまう人もいるのかもしれません。これは政権にとって好都合・・・。
何れにしても権力は選挙をコントロールし、政権を維持しようとするのは当たり前、その政策が良ければ問題ないけれど、政策が破綻した時に権力は外敵を作り、不安を煽ることで、失政から国民の目をそらします。これは権力の常套手段です。イラク、フセインの大量破壊兵器だとか、そもそも9.11テロもCIAの陰謀という説もあながち嘘とも思えません。実際、トンキン湾事件も張作霖爆破事件も、政権が戦争を誘導するための破壊工作でした。
あべちんは現行平和憲法をなし崩しにして、結局アメリカとの軍事同盟を強化し、世界で戦争できる日本にしたいだけ。でもなぜ?それはねぇ、明治いらいの保守政治の根本思想、金融支配でしょ。戦後はアメリカのマネーエリートの支配を受け入れ、日本人の労働の果実をマネーエリートが収奪するという仕組みに組したということかな。言ってみれば、戦後保守は日本をアメリカに売り渡したと言えなくもない。
そんな中でのぎりぎりの判断を迫られたこの前の参院選だったけれど、残念ながら、コトリと歴史は一つリスクを抱え込んでしまいました。そのことに気づかない、理解もできない国民も少なくないでしょう。ネットでおバカな論争をするのは、政権にとって好都合・・・バカな挑発は無視して、冷静な判断のツールとしてネットを利用したいもの。
今度の都知事選は私には無関係だけれど、カネにまみれた保守政治の危うさに警鐘をならして都民の暮らしを守るのか、利権を優先して経済的発展を目指すのか、その辺りのこれからの都政の分岐点になるのかもしれませんね。