万人の万人に対する戦いと説いたのはホツブスだけれど、近代の価値観は多分にホッブス的な価値観が影響しているんでしょう、人間社会は弱肉強食、強いものが弱いものを支配するのは当たり前。経済力、軍事力のある国は弱小国家を侵略し、植民地化したり、侵略した国の人たちを奴隷にしたりとやりたい放題。今のISの行為もつい百年前はどの国もやってたり。
二度の大戦を経て、さすがに現代は人権意識が高まり、人はすべて平等という概念が当たり前になったけれど、まだまだ民族や性別、セクシャリティーなどでマイノリテイー、弱者は差別を受ける現実があります。
差別はいけないと多くの人は理解しています。けれど、万人の万人に対する戦いの価値観はなくなっているわけではなく、合法的なものであれば、人が人を力で支配することは当然であり、むしろ義務だったりもするわけです。その極端な形が戦争ですし、経済的な戦いは経済の発展の原動力と言われたりもします。
人々の意識の中に、戦いは当然、負ければ不幸、弱者は不幸になっても仕方ない、だって負けたんだもの、という価値観は根強く残っています。負けないようにしっかり勉強したり、スポーツしたり、お稽古したり・・・負けたら不幸になるのだから・・・。勝ち抜いて強いものは弱いものを支配するのも当然。指導とか教育とかしつけとか、時には同情、時に憐れみ、時には愛という依存だったり。
何れにしてもほとんどの人は建前の平等は言っても、ほんとの自由で平等の価値観はありません。残念なことです。すべての人は一人ひとり尊重される存在であり、本来は自由で平等。人としての価値に上下はありません。金持ちも貧乏人も、障害者も健常者も、大卒も中卒も・・・。
差別はいけない、女性差別は許さない、という立派な女史が学歴や金で人を差別してたりも良くある話。子供に自由を与えないで育てて、自己決定も自己責任もわからない大人にしてしまったり。こんな社会だから・・・ほとんどの家庭がDVモラハラ家族になってしまいます。程度の差はあるけれど・・・・。
そして、問題が起こって私の所に来られる方もおられます。先日もDVをしてしまった調停中の男性のお話を聞かせていただきました。彼はDVを振るったことに反省し、そんな自分を変えたいと思ってるけれど、心療内科では自分を変えることはできなかったし、あちこち探してやっと脱暴力支援の私につながって来られました。
DVは悪いことだからやめなさい、というのは簡単だけれど、そんなことを言っても無意味です。本人は十分わかっていることです。問題はなぜそうなったのか、どうすればやめられるのか、その具体的なことが助言出来なければ脱暴力支援になりません。そして、DVモラハラ問題の背後に、社会的文化的な問題がああること、心理的な問題があること、たんに暴力やめればいいというものではありません。
家族であれ誰であれ戦わない争わない、パワーントロールしない、自由で対等な人間関係を作るスキルを獲得してもらわないと本質的な問題解決にはなりません。逃げた、離婚した、で解決できるわけではありません。
しばしば、暴力振るわなくなったからDVはなおったと勘違いする人もおられます。そんなに簡単なものではありません。なおったと思ってワークやカウンセリングに来なくなると、いずれ暴力が再発したり、別の問題が起こったりするのも良くあること。パワーコントロール社会の中で非暴力、ノーコントロールで生きていくのは大変です。常に脱暴力の仲間たちと語り合い、非暴力の対話を続けてないと戦いモードに再感染してしまいます。
戦うこと、勝者であることで自分を支えてきた加害者にとって、戦わない、争わない、弱者の自分を受け入れるのは簡単ではありません。他者がどうであれ、自分は大丈夫、そんな自己肯定感を育てるのにはパワーコントロールを手放した援助者の存在は不可欠。援助者が知識や権威というパワーで加害者をコントロールしていては、本質的な脱暴力にはならないのではないか、というのがメンズカウンセリング理論。
こんなメンズカウンセリングを世に伝えたいと思うけれど、マスコミも行政もアカデミズムも私が嫌いみたいだしねえ（笑）今度のヌエックのワークショップで、被害者支援の方達にも伝えられたらいいな。
そうそう、今日午前はひと・まち交流館に十月の男性会議の会場抽選会に行ってたけれど、お昼からは予定もなくて暇なので、先日百均で買ってたエアプランツをデコしたり、サンセベリアを鉢に植えたりと、ガーデニングの半日となりました。
サンセベリア
エアプランツ三種、長いのはチランジア
ひょろ長いエアプランツ
エアプランツ、メドゥーサ
千円ほどで半日遊べました。これからの成長も楽しみだし。
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