昨日の男性会議の続きの話・・・・岩崎風水さん・・・彼の語る人生のうち、獄中で過ごした15年、辛くもあり厳しくもあり、当事者でしか語り得ない貴重なお話を聞かせていただきました。何度か死のうとしたけれど死ぬことができずにいたこと、偶然やら必然やらが、彼の判断に織りなし、彼の獄中生活を多様なものにしたこと。中でも私が敬服して聴かせていただいたのは、彼は獄中でさまざまな著作やら雑誌やら、専門書を読みこなしてきたことと、人を犠牲にすれば、自身ははるかに軽い量刑で済んだところ、全て自分のこととして引き受けたその覚悟の深さと。
多動で外れ者という意味では私に共通するものがあるけれど、どうも彼の頭脳は私のLD脳とは随分異なってて、ハイスペック。獄中で得た知識も半端ないだけでなく、出所後の薬物乱用防止啓発活動や当事者支援活動にもそれが活かされたようです。
そして今、そんな活動に関わるに至る人生・・厳しい生育環境やら事件に至る複雑な人間関係、事件から獄中生活、出所後の生活、総じてどのように感じているかとの私の問いに、彼が答えたのは、それなりに意味のあるいい人生だと・・どんな体験からも人は意味を見いだし人生の糧に成しうる・・フランクルの学びを実践する彼の語りは、偉いセンセの語るフランクルの教えよりよほど真実であり、私を納得させるものでした。
そんな彼の語りの後は、風水さん、東京のスタッフの佐藤さんと私を交えてのおしゃべり会。前半は当事者の心理や回復に関するあれこれについて、後半は、それら当事者の問題は社会のさまざまな問題によって引き起こされているということについてなどが語られました。
いろいろ語りが交わされたけれど、いずれもよそでは聞くことのできない、当事者の語りならではの面白さでした。そんなパネルトークの後は、当事者と風水さんのフロアセッションでした。朝の十時から夜八時までの十時間があっという間にすぎた、とても、濃くて味わい深いセッションでした。ご登壇くださった風水さん、思わしくない天気の中ご参加くださったみなさん、会場をセットしてくれた、スタッフのみなさん、お疲れ様でした、感謝です。