当事者が回復して、支援者になることで、クライアントに対して深く共感したり、権力を伴わない対等な支援が可能となります。けれど、世間の価値観や支援者養成のシステムでは、それはとても難しいこと、ある意味不可能なことかもしれません。ある当事者女性は医療関係で仕事しているけれど、DV被害を受けた方にどのように接すればいいのか、自分の体験からよくわかることだけれど、自分がDV当事者だとはその職場では言えないとのこと。
ましてや加害者がカウンセラーになるなんてありえない、なんせDVは治らないという言説があるからねえ。加害者が支援者になればDVを肯定して、DV加害者を増やすことになる、との短絡的な思考になりますからね。
でもねぇ・・何故DVになったか、それをどうすれば克服できるか、実体験で学んだ当事者は、知識でしか理解してない支援者より、より具体的な助言も可能だし、当事者に共感し寄り添うことで、加害当事者は見せかけの回復(巧妙な加害者化)ではなく、真に自己信頼、他者信頼が可能になる回復を実現できます。で、私の支援に長年関わってくれたさとーちゃんが、支援者になった加害当事者として日刊ゲンダイに記事掲載されました。
いわゆる加害であれ、被害であれ当事者が真に回復して支援者になるのは、ありがたいことなんだけれど、それを可能にするのはとても難しい。
回復してなくて、問題を抱えたままの被害者が、講座をうけ知識だけで資格をと取って、現場でクライアントの支援をする・・これってかなり危険なことだけれど、加害者についてバイアスを持ったまま、真の脱暴力支援ができず、二次被害を起こす・・・そんな話はよく聞く話。メンズカウンセリングではそんなことにならないように、加害・被害を超えた支援を提供するし、単に知識だけで支援OKとするような甘いシステムではありません。だから、なかなかカウンセラーも増えないんだけれどね。
昨夜の男ワーク、女性一人も参加して、深くて濃い対話になりました。