「人は変えられない、変えられるのは自分だけ」ということはよく言われます。これはカウンセリングでも基本的な概念です。多くの悩みや困難を抱えた人は、自分を取り巻く人間関係や経済状況など、困難なのは状況の問題と理解し、その状況を変えようと努力しますが、それも叶わず、どんどん状況は悪化していきます。
で、そんな方が私のところに来られるわけですが、私は状況を変えようとする本人の思考を、自分を変えて問題を終わらせるべく思考が変わるような、カウンセリングを行います。
本人の価値観や行動様式、感情のありようなど、それまであまり意識して来なかった本人自身のありようについて、本人自身が自己洞察、自己分析をすすめ、自己受容、自己肯定感が高まるようアプローチしていきます。
問題を抱える多くの方は、真面目な方、努力家が多く、社会規範に忠実で、ある意味、人としての自然な情動を抑圧したまま自己概念を形成しています。そんな方は、他人の評価に依存し、他者の承認を得るために人一倍努力し、実際その結果、それなりの地位なり名声を得ていて、その評価や承認を自分のアイディンティテイーにしています。
ですから、そんな方に自分の価値観を変えようと働きかけても、自分を変えるのはとても難しいようです。自分がそれまで絶対だと信じてた価値観を否定するのですから・・。その価値観を否定したら自分が空っぽになるか、自分が蔑んでたダメ人間になるかも・・と想像するのだから、怖いのも当然です。
そんな方は自分の価値観を変えることもできず、それまで同様問題を相手の問題、状況の問題とし、さらに相手や状況に強く働きかけようとして、問題をさらに拗らせていきます。挙句に修復も、回復も困難な結果に至ってしまいます。それをみている私は少々胸痛むところではありますが・・・私のアプローチが届かないのだから仕方ありません。
昨年の球根から発芽した来談室のヒメヒオウギ・・初の開花です。