DVやモラハラなど夫婦問題が発生した時に、女性は警察や、女性相談、弁護士、などに相談に行って、DVは治りません、早く逃げないと危険ですと指導を受けるわけだけれど、すでに暴力があった場合は、いきなりシェルターへの避難を勧められて、そのまま保護ということもしばしばありえます。
夫は逮捕、拘留されたり、別居を勧められたり。何れにしても、これ以上事態が悪化して事件化するのを防ぐ処置が取られ、その間に、保護命令が出されたり、被害届が出されて長期拘留されたり。
その支援が必ずしも過ちとは言わないけれど、一方で別居や離婚を望んでなくて、安心した対話を求めている女性に、その思いに寄り添い支援してくれるところは皆無です。状況もなすべき対応もわからず、やむをえず、支援者や警察の指導にしたがってるうちに、本人の思いとはまったくことなる現実に至ってしまうことも少なくありません。こんなはずではなかったのにと。
どこで入り口を間違えたのか・・・ある女性当事者は、女性トイレに置いてある相談案内カードをみると、腹立たしくて全部捨ててしまいたくなる、と話しておられました。その方、そのカードのおかげで、苦しまなくていい苦しみを味あわされたと話されていました。公的施設にある、公的相談の案内なので、それがとんでもない結果になるということは疑うこともなかったようです。
ほんとは、当事者の状況も思いも一人一人異なり、その思いに寄り添い、暴力や力の支配から解放され、自由で平和な暮らしができるよう、支援するのが本来の支援のあり方でしょう。
けれど、DVは治らない、だから別れるしかない、そんな別れるための支援が唯一の支援になっているのが現実です。けれど別れても離婚しても、恐怖は終わらず、自立とは遠い世界で不安と孤独に苛まれ、男に対する不信と憎悪で自分を支えるしかないとしたら、こんな不幸なことはありません。
不安や恐怖から解放され、誰からも支配もコントロールも受けず、自由で対等な関係の中で助け合って暮らせる、そんな未来のための支援を目指したい私。
先日も、ことが起こって間なしの夫婦にそれぞれ御来談いただきました。分離して以降お互いの状況がよくわからず、法律や制度についてもあまり詳しくない本人たちにとって、自分たちの置かれている状況もよくわからず、どううごけばいいのかよくわからないとのこと。
夫にはほとんどまともな情報は届かず、警察や裁判所からの警告や呼び出しがあるだけ。妻には、いろんな人があれこれ言うけれど、どうもそのまま信じるには無理があるし、どうしていいかわからなかったと。
たまたま、夫が拙著を読んで、修復的な支援のようだと、連絡してこられた様子。そのことを妻さんに伝えることができて、妻さんもこちらに繋がってくれたというわけ。
夫には夫の、妻には妻の・・それぞれ抱える問題があり、その問題と向き合いつつ、これからどうしていくのが最善か、とりあえず、冷静に考え、対話できるようにメンタルサポートが必要。
そこからいずれ、夫婦で対話できる時期もくるだろうけれど、それまでは、あせらず、相手のせいにせず、自己卑下もせず、今の生活を安定させて欲しいとお願いしておきました。
この夫婦、それぞれ、いろいろあるだろうけれど、無駄な動きをしてますますこじれていくことは防げそう・・。先の長い話になるけれど、いずれ夫婦で笑いあって話せる日がくるものと希望を感じさせてくださいました。
昨日はパンジーをトレニアに植え替えました。