グループワーク 支援・援助論

DVはなおる?

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DVはなおる のタイトルで 著作を二冊上梓したけれど、この言葉を使った意味合いはいろいろあります。またこの言葉を受け取るにも、受け取る側の価値観もあり受け取り方も様々・・・どれが正しいとか議論するつもりもありません。ただ、私がこの言葉に込めた意味はお伝えしておきたいとも思います。この言葉「DVはなおらない」と支援の場でそれが真実かのように語られることに対するカウンターとして「DVはなおる」と宣言したわけです。

一般に「ガンはなおる」と書いたところで、嘘だ、とかありえない、とかいう人はいないでしょう。実際には、ガンが治らなかった人もいるし、治った人もいる、潜伏してるだけで再発するかもしれない人もいれば、温存したまま進行が緩やかで、寿命までガン死にならない人もいる。かようにガンがなおるか否かについては、いろんな状況があるけれど、そんな状況の中で「ガンはなおる」という言葉に対してエキセントリックに反応する人や、頭から否定する人はほとんどいないでしょう。

けれど「DVはなおる」という言葉に対して、頭から否定する人、感情的に反応する人は少なくありません。その方達にすれば、周囲にDVを克服した方がいない、とか、DVがなぜ起こるか、どうすれば回復するか、などについてちゃんとした情報が届いてなければ、ましてやDVで傷ついていればなおさら、その言葉を否定したくなるのも当然でしょう。

で、そんな方達の主張に対して、私は絶対になおる、と反論するつもりもないし、かといって、加害者プログラムの某大先生が言ってるように、治る確率は低いんですよねえ(なら、なぜやってんの?笑)というつもりもありません。かなりの確率でなおります。が・・その言葉の意味するところは「ガンはなおる」という言葉とほとんど同じで、回復の確率はある程度の確率で表されることであっても、個々の事例ではいろんな状況があり得るということ。再発する人もいるでしょう、完全に暴力やパワーコントロールを手放せる人もいるでしょう、再発しないような手立てを行使して、再発を防いでいる人もいるでしょう、その状況はひとそれぞれ・・・ですが、それは前提として、私の脱暴力支援を受けたという前提です。ガンがなおる、というのが、治療を受けてという前提で語られるのと同じ。

私の支援を受けない方が、何もせずにDVがなおるわけではないし、何もしない人のDVがなおると言ってるわけでありません。DVはなおる・・有効な支援があれば・・DVはなおらない・・有効な支援につながらなければ・・・ということであって、DVはなおる、という言葉も なおらないという言葉も、どちらも嘘ではないといえるでしょう。

で、昨夜の男ワーク「DVはなおらんよねえ」と笑いながら多くの男たちが語り合っていました。彼らは自身の加害者性について理解できていて、単に殴る蹴るをしないから「俺はなおった」ということの嘘を知ってて、単になぐるけるだけではなく、パワーコントロールしたくなる自身の情動や認知に対する理解ができているということ。そんな彼らは、自分の感情を理解できているし支援を受けることを知っているので、行動をコントロールできるし暴力に発展することはありません。

この状況もある意味で再発防止ができているという意味では「DVはなおる」状況の一形態といえなくもありません

さらには、情動部分においても、経済や権威、知識など様々なコントロールパワーで相手を支配、コントロールしない対人関係における情動の変化があれば、完全な脱暴力が達成できたということだろうけれど・・・いまの社会そのほとんどの人がパワーコントロールする、される関係しか知らないので、そんな社会で非暴力で生きていくのは簡単ではありません。常に、非暴力で権力構造に依存しないで生きていくためのパワーを維持していくためのエイドステーションとしてのネットワークも不可欠。というわけで、メンズカウンセリングは、単に非暴力のための知識を伝えるプログラムではないということ・・その上で「DVはなおる」と宣言しています。

二年前に買った水仙、球根を昨秋植えたら、今年も綺麗な花を咲かせてくれました。

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