支援・援助論

出産で夫婦が揉めるわけ・・・

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今朝の朝日新聞に産後クライシスに関する記事がありました。出産以降夫婦関係が悪化する事が多いとのこと。当たり前といえばあたりまえで、多くの夫婦問題に関わる私には、構造的な問題があるとわかるけれど、専門家もマスコミもDVだのモラハラだのという、個人の人格に問題を還元して、問題の本質に対する理解も対策も考えようとしていません。

 

 

また、すべてを善悪で判断する司法的な短絡思考がフェミニストのバイアスと絡んで、問題をこじらせているのが現実。

私の考えでは、コントロールする・されることで安定してた夫婦関係が、コントロール不能な子供の出現で不安定化し問題が発生するということ。

母親は母役割をこなすことで自分を支えようとするけれど、赤ちゃんは都合よくコントロールできません。逆に母親をコントロールしようとします。この赤ちゃんの都合を優先すれば夫のコントロールを拒否するしかなくなります。いい母いい妻の虚構は簡単に崩れてしまいます。

夫にしてみれば、従属的だけれど都合良い妻が、出産で態度が一変し自分のコントロールを何かと拒否するようになり、夫自身のアイディンティテイーを揺るがすことになりかねません。

夫は出産育児は妻の責任の範囲で、自分とは関わりのないことと認識しています。それは悪意ではなく、子供ができたことで夫自身の責任はより仕事してより稼ぐことと認識していますから。真面目な夫ほど。

この辺り、変わらない日本人の家族意識や再生産労働を個々の家族に還元し社会化せずにきた財界の読みの甘さがある以上、問題の解決は不可能。

夫婦とは何か家族とは何かを問わずに結婚しようが出産しようが、問題は起こって当たり前。相手の問題と相手を責めても問題はこじれこそすれ解決はできません。

私の知人で先般出産した夫婦がいるけれど、夫は家で仕事しているフリーランサー、妻は育児休業中。夜は夫が子育てをし、昼間は妻が子育てをするという育児シフト制にしています。

数ヶ月は揉めることもなく順調に推移してたけれど、先日夫婦で少々もめたとか。子供の暴力的なコントロールに対する抵抗性を持ってなかった妻が、そのストレスを夫に向けたのが、その問題の本質。夫はセラピーとしてはかなり能力のある人なので、夫婦間で対話することで、問題の本質的対応が理解できて、すんなりと解決。妻も冷静に自己分析できる聡明な人で、問題の発生から短時間で自己洞察をして生産的な対話が可能で、その分析を夫に伝えています。

この夫婦、世間ではレアなケースですが、私に関わる人たちの中ではさほど珍しいことではありません。夫婦が家族役割に縛られず、相互依存をさけ、コントロールし合わない関係を構築できています。

けれど、世間の夫婦や世間の価値観での支援は、社会的な構造には一切フォーカスせず、善悪でジャッジしどちらかを糾弾したり排除することで問題解決すると判断しています。これではこじれるばかり。誰も幸せになりません。

昔々、日本看護歴史学会が発行したテレカの絵柄が江戸時代?の絵で、庶民の出産風景。納屋のようなところで産婆が産まれた赤子を産湯で沐浴させています。産婦は少し起き上がりそれを眺めています。たすき掛けの夫は産湯のお湯を桶で運んだのでしょう、手ぬぐいを抱えています。

ラマーズだの夫の子育て参加だの言うまでもなく、昔っから日本の庶民の男は出産育児に関与してたんですよねぇ。なのに男は仕事、金、と勘違いして、いまの家族問題に至っています。

問題の本質的理解・・・今の専門家の方たち・・できないんかなあ。現場を見ようとしないからねえ。当事者の視点に立たないからねえ。やれやれ。

 

 

 

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