日本のDV法では、被害者の保護として被害者が家を出てシェルターに保護されるのが唯一の支援となっています。しかもその安全を確保するために加害者からの完全な分離、断絶を前提とします。
一見、筋が通ってるみたいだけれど現場でやってるといろいろとおかしいことがわかります。
被害を受けて弱ってる人が逃げることで余計に生活基盤、人間関係を失い経済的負担も増えるということ。被害者の安心や安全のためには被害者を逃がすのではなく加害者を分離拘束すべきでしょう。これは欧米のDV法では当然のことです。
さらに、被害者が保護されるには警察に届け出てさらに地裁に申告が必要。その後に保護命令が出されるので、その間に加害者の報復を受ける可能性もあるので、深刻なケースでは被害者は申し立てることもできず、ほんとに必要な人が保護されません。さらに申告に際して証拠も不要だし公的機関の事実認定も不要なので、DV法を悪用することが可能。いわゆるでっち上げの多発です。
被害者はシェルターに保護されて、加害者の追跡を逃れ逃避するために、一切の連絡を絶ち、人間関係を失ってしまうので心理的に孤立してしまいかねません。これは被害者の不安を強化し回復を難しくしてしまいます。
かくして、いきなり理不尽に家族を失って怒りや絶望に陥る加害者と、傷つきや不安を抱えたままさらに不安定な生活を余儀なくされるシングル親子の発生という形で家族崩壊し、世代連鎖していきます。その構造で支援のお金が動き利権化していくという構造です。DVがなくなったら困るんですよねえ、支援者の方たちには。
私もシェルターを持って支援していますが、行政の補助も委託もないので、利権構造とは無縁です。加害被害、男女にかかわらず利用していただいています。
DV案件では男性の利用をお勧めしています。男性はシェルターから職場に通うのは簡単ですし、子供は保育園や学校を変える必要もない、被害者は生活を変える必要もありません。加害者に対する脱暴力支援もシェルターにいれば簡単に受けられます。
男性がシェルターに入るのが難しいケースでは女性がシェルターを利用することも少なくありません。母子となれば子供に対するサポートも必要だし被害者に対する心理的ケアも必要。こちらのシェルターでは女性のワークやら保育スタッフを利用できるので問題は起こりません。もちろん通信や移動を制限されることもありません。
安全安心のために加害者との対話や合意のために私が調整役として関わります。双方の納得を前提に安全確保し、さらにそれぞれの問題を解決するためのカウンセリングやグループワークも行います。
双方が落ち着いた頃には、私を介して対話も進めます。その結果、再同居に至るのか、別居のままなのか、離婚に至るのか、離婚後はどうするのか、争いではなく、離婚であってもなくても修復的な結果を目指します。
そんなこんなで、回復や修復には数カ月から半年、あるいは一年近い時間は必要ですが、双方にとってなにより子供にとっては負担の少ない結果になります。実際、女性でも半年近いシェルター利用の母子もいたし、大抵一月から数ヶ月、男性でも一月から数ヶ月、中には一年近い利用の方もおられました。
私のところのシェルターってどうも居心地がいいみたいで、利用者の声もありがたい声が多く寄せられています。私も仕事してて嬉しく思います。
シェルタールームとある日のシェルター定食