その自己概念は生育や暮らしの中で体験したり学習した自己のイメージや情動からできる枠組みのこと。人は子供の頃から「女の子」「男の子」としてステロタイプな性イメージを植え付けられて育つけれど、身体の情動やら社会の有り様は複雑で、性の自己概念と、性をめぐる心身や世間の反応は不一致になることがほとんど。
その不一致をケアする人も理論も不十分。ここには近代の価値観にある「性の抑圧」の問題があります。近代は多様な性を抑圧することで単純で合理的な社会を目指しています。
例えば今、出生届けに「男・女」としかなくて、昔はふたなりとしてあった半陰陽である「その他」はありません。一定の確率で生まれるその他の人たちはない者にされて、どちらかに組み込まれてしまいます。
最近はLGBTなる言葉で、性的マイノリティーも少しずつ認知されつつあるけれど、決して市民権を得ているわけではありません。
子供の頃から「男・女」として育てられるのか「あなたはあなた」唯一の個としての尊厳を認められて育つのか、その自己概念は大きく変わるでしょう。
今の社会に満ちている性イメージにとらわれていると、生物としての性的自己との不一致が起こるだけではなくて、他者との関わりもバイアスに満ちた行動様式になるから、対人関係も家族関係もトラブルが起こりやすくなります。
ほんとは、みんなひとりひとりが個性として性を内包してるから、みんな違ってていいし、二分する必要もないし世間の性イメージに縛られる必要もありません。このあたりのことを進化論的にまた遺伝学的に、さらに社会学的に説明してみました。もちろん一時間ほどですから超スピードのダイジェスト版。
おしゃべりの後は、ワークとして、ジェンダー意識とパワー依存度で座標をつくり、自分が性と権力意識とにおいてどの程度の意識をもっているか確認していただきました。
男は強くて当たり前の位置と、女は弱くて依存的という意識の位置との間で、人は関係づくり恋したり悩んだり家族したりするわけだけれど、それらにとらわれず、私は私、あなたはあなた、世界でひとつの素敵な関係を作れたら二人?は幸せになれるけれど・・・みんなが勝手に幸せになられたら困る人たちがいるんよね、きっと。白黒はっきりさせないと、複雑なことは考えられない人達や、白黒簡単にして儲けたい人たちと。
そんなワークの後はカウンセリングをして、お昼からのワークはインタビューゲームで「好きな人嫌いな人」をやりました。理屈や善悪ではなく、好き嫌いで語ること、自分の気持ちを語ることに慣れていただくためのワークです。
そんなワークの後は、また夜までカウンセリング・・・・はあー。疲れないかって?不思議とねえ、私は疲れ知らず。夜バスの連チャンなのにちゃんと仕事できるんよねえ。たぶん、みんなと話したり、クライアントの語りを聞かせてもらってるうちに、私がパワーアップしてくるんよね。これって獲得スキルなのか・・天性なのか・・・よくわかんないけれど、みんなにもみんなと語り合ってもらうことで、力がついてくるし、私だけのことではないしね。となると場の力かな。
そんなこんなを楽しませていただいた銀座のお仕事でしたとさ。
夜バスは早朝の東京に
銀座のお洒落な通りを抜けて
こんなこじゃれた高いお店には入らず、マクドの100円コーヒーで二時間粘って
元モラおじさんがなんと自主的に保育担当を引き受けてくださったり
我が子に会えないぶん、よその子を愛する力を養って
仕事も全部終わってまた銀座の通りを抜けて夜バスののターミナルへ
七時間後にはバスは夜明け前の京都に。おつかれさんどしたー