今朝は私が事務所に入る前早朝に、三週間ほどシェルターに住まわれてた母子が退所されて、メモを残しておいてくださいました。
一人では、迷ってばかりで決断も前進もできなかったけれど、様々な支援を受けて、新しい人生をスタートできるところまで来れました・・との内容です。
元はDVやモラハラやのあった夫婦で、これ以上は一緒に暮らせないとの判断で、家を出ることにしたけれど、それが必ずしも離婚を意味するものではなくとりあえず、安心と安全の確保された生活を確保するということ、それが彼女の判断だけれど、その判断を理解し、支援してくれるところはありませんでした。
別居するなら、離婚しないと支援は難しい、DV男は治らないし、エスカレートして危険だから。との言説しか言わない行政の支援。また、実家や親戚も、あれほど言ったのに、DV男の下に帰ったのだから、いまさら助けてくれと言われても・・と支援を拒否。
行くところもなくて、かといってエスカレートする夫のパワーコントロールに耐えることももはや無理、ということで、私の支援を求めてこられました。
私は夫さんのことも知っていて、彼が感情的をうまくコントロールできないとか、心理的な問題を抱えていること、けれど、決して悪い人ではないということも知っています。
彼自身も離婚を望んでいるわけでもなく、かといって、逃げて私の支援を受けている妻をいまさら連れ戻そうとか、攻撃しようとか考えているわけではないのもわかります。ただ、家族として一緒に暮らしたいだけ。けれど、家族をいまのまま維持することができないこと、その理由についてはまだ本人もよく理解できていまん。
そんな彼からの電話を受けて、彼女の考えや気持ちについて、伝言し解説しました。彼女も離婚を望んでいるわけではないし家族とともに暮らせたらいいけれど、今の夫婦にはその力がないから、その力をつけるために、お互い自立すること、脱暴力支援を受けることなどを提案していることなどなど。
彼は、私に対しては穏やかに丁寧に語られていましたし、当面大きな問題になるとも思えませんし、そんな彼の不安や寂しさがつのらないように、彼女もそれなりの提案をされているようです。
相互の対話(安心安全が確保された)を重ね、不安や不信感のない、新しい家族再構築のためのお互いの再出発が可能になれば、下手に離婚のために傷つけあうこともないし、子供に厳しい傷を残すような負担をかけることもせずに済みます。
DVやモラハラをめぐっての離婚の多くは司法に関わります。けれど司法は基本戦いの場であってしかも善悪を法で裁く場。夫婦の対話を重ねて信頼を深める場でもないしその専門家は誰もいません。そんな司法に夫婦問題の解決を持ち込むので、離婚劇が果てしない争いになってしまいます。
数多くある行政のシェルター民間のシェルターなど、いずれもこの司法以外のチャンネルにつなげて解決することは難しい。加害者対応も修復的な支援もないのだから。
私のやってるシェルターはほんの小さな規模だけれど、内容は篤いし利用者の回復にはとても効果があることを自負しています。
もちろん退所された後も私の支援は続きます。家族みんなが幸せになるために・・・ってさ。
さとちゃん、6歳の女の子の作品
ある日のシェルター晩御飯