昨夜は九時からのミニゼミの予定だったけれど、初参加の方もたくさん来られて、ゼミ室には入りきれなさそうなので、大部屋での講義となりました。テーマは「命とはなんだ」として、宇宙論から量子論までの間で私たちの命があるけれど、実感できたり科学的証明ができる世界はほんの小さな世界でしかなくて、実感できない世界、見えない世界も私たちの命の有りようと深く関わっている、ということをおしゃべりさせていただきました。
お昼からは女も多数参加する男ワークでした。ワークのお題は「長所・短所」で、それぞれの欠点と思うところを書き出していただいてグループでシェアしていただき、短所と思ってることも長所として認識することも可能という、そんな気づきを得ていただいたのではないかと思います。
二十数名の中でも、これだけ加害被害は多様なのに、男性=加害者=危険、女性=被害者=弱者、別れたら問題解決、などというのはまったく現実を見てない空論にしか過ぎないということもよくわかります。
昨日の語りの中でも、逆転現象という言葉がしばしば使われました。私は力関係が逆転するという意味で逆転現象としていますが、加害男性が非暴力化していくと、それまで恐怖で押し殺してた被害者の痛みが怒りとなって加害者に向かい、被害者が加害者化するという現象が多くのDV夫婦に見られます。
生育の中でコントロールを受けていたり、夫婦生活の中で長い間パワーコントロールを受け続けたりすると、自己主張どころか、自己決定もできないし、自分の意思や感情すら実感できなくなってしまいます。圧倒的なパワコントローラーの元で生き延びていくには、自分をなくすことが有効なのだから・・・。
そんな被害者がDV夫の元を離れても、自己決定する能力がなければ援助者や別の他者にコントロールされたり、本人が自ら依存的関係になったりするのもありふれた話。これではほんとの問題解決にはなりません。
ということで、夫婦はお互いパワーコントロールしない自由で対等な関係になるといいよねってことですが、そこに至るには、とりあえず、押し殺してた感情をしっかり肯定して言語化してみようということ。そのプロセスではとうぜん逆転現象も起こりえます。
それはプロセスとしてあり得るけれど、その状況のままでいいというわけではありません。加害者化した元被害者が加害者としての支援を受けることで、みずからの加害者性にも向き合い、パートナーの加害者性や被害者性にも思い至るというもの。やがて、相互の深い自己受容、自己肯定が進み、最適な距離や関係を対話で決めることも可能です。
とはいえそこに至るにはそれぞれが脱暴力支援を受けて、数年という歳月が必要です。たまたま、昨日も二年間ほど支援を受けてたカップルが再同居の約束ができたと顔を覗かせてくれました。彼女の勇気ある離婚宣言とか再同居の決意とか、そのいずれも大変な作業だったこととおもうし、感情的にならず、法的な対決に走ることなく自分と向き合い、自分を成長させていった彼も立派です。そんな二人にワーク参加のみなさんからもエールと拍手が送られました。このお二人の人間的成長は彼らの子供さんにとてもいい学びを与えてくれることと確信した私です。
・・・とはいえ、今日はほかの予定もないので、昼寝すっかな
ブログに納得いただけたら、クリックお願いします。