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不安はどこから?・・ 心の問題が起こるわけ

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先日のアドバンストレーニングのお題は「不安はどこから?」でした。昨日の心理学の勉強会でも統合失調やら境界例とか人格障害とかのテーマで話をしました。

私は常々、心の問題は状況を変えることより、その人の情動やら認知を変えることが大切と語っています。というのは、状況を変えてその問題を解決しても、自分の価値観や行動様式が変わらなければ、また似たような問題が形を変えて本人を苦しめることになる、と考えるからです。ナラティブでいう「問題が問題だ」ということに通じるところがあります。

問題を終わらせようと思うと、問題を解決するというより、何が問題かそれがなぜ問題か、その問題はどうしてできたのか・・など、問題に対する本質的な理解をすることで、本質的な対応をとることができます。

ナラティブセラピーを理解している人には当たり前のことですが、世間の多くのセラピストも支援者もましてや相談員とか福祉関係者、司法関連の方達には、この考えは理解されておらず、暴力だの病理だの、貧困だの犯罪だの、そう言った表層的な問題が問題の本質と考えるから、その表層的な問題(状況)を変えることで問題解決できると考え、その価値観で支援していきます。もちろん、それが不要というわけではありませんが、それはあくまで対症療法に過ぎないことと私は理解しています。

で、昨夜も一昨夜も私が語ったのは、人の行動や価値判断は心の作用によるけれど、その心は主に脳機能に由来すると考えますが、脳は大脳、間脳、脳幹で作られるけれど、人の脳の特徴は大脳が極端に高度化していること、その大脳には大脳皮質、辺縁系という構造があって、フロイトのいう無意識のイドというのは、この辺縁系の作用によるもので、意識・思考とは異なる働きをしています。

頭では理解できても心がついていかないとか、わかっちゃいるけどやめられないとか、勝手に手が動いてたとか・・情動と思考が不一致になるのは、脳の仕組みからすれば当然のことでしょう。

これは進化論的にいえば、動物が生物として生き延び、命を繋いでいく仕組みが脳の中に組み込まれているからであって、人間も例外ではありません。けれど、人間は大脳皮質が極端に発達し、思考し、推論し、妄想し、概念を言語化し、状況を意味づけ、自己概念を構築し・・などなど、さまざまな行動の多様性を拡大することが可能になっています。

この大脳の発達は胎児のころから出産後も続きます。これは他の動物には見られないことです。出産後も何年もかけて、大脳は発達していきますが、その生育の中で体験することが大脳の発達に少なからず影響します。苦痛や困難を体験する生育環境なのか、安心と満足に満たされた生育環境なのかによって、発達していく大脳の神経プログラムは大きく変わるでしょう。

今後生き延びていくためにどのような神経回路が必要なのか、その体験や記憶、その体験から導かれる情動・・これらはパソコンで言えば基本ソフトOSのようなもので、いったん神経プログラムとして回路が出来上がると、その回路は変わることなくその人の情動や思考として大きく影響してきます。これらの機能は大脳辺縁系によることなので、情動・感情・など無意識領域のことで、本人は意識できません。

これに対して、大脳皮質・・思考・判断・記憶・などの神経回路は本人の意識領域に関わることで、神経プログラムを意識的に書き換えることは難しくありません。生存に適応的な判断や行動を学び、それらを変えていくことが可能です。けれど、書き換えが難しい辺縁系の神経プログラムと、新たに書き換える皮質系の神経プログラムが不一致な場合、心理的なトラブルが起こるのも必然といえば必然。

そしてそのトラブルの原因が神経プログラムの不一致ということを理解できていなければ、問題は困難をもたらす状況に原因があると考えるのも当然。本人もその支援者も。

統合失調だろうが双極性障害だろうが人格障害だろうが、心理的な困難は、生育における体験と記憶からくる無意識的な神経プログラムとその後の生活環境の不一致に由来する(それが全てというわけではない)と私は考えています。

そこで、本質的なセラピーに必要なのは本人の気づいていない、本人の無意識領域の神経プログラムを書き換えること、いわゆるOSの入れ替えです。これはパソコンと違って数時間でできるわけではなく、体験の追体験とそのフォローが必要で、何年という時間が必要です。無意識の神経プログラムは簡単には消去できませんからね。

私はそれを育ち直し、時には産まれ直しと言ったりもしています。時間と手間とそれなりの環境が必要です。ビジネスとしてはやってられないということになるのかもしれません。セラピストにとってもかなりの負担になるでしょう。

まあ、昨夜はそんな心理学と大脳生理学?を掛け合わせたようなお話をしたというわけ。多少乱暴で無責任な語りだけれど、大きく間違ってるとは思わないし、こんなことを語る専門家はたぶんおらんよねぇ・・というのが私の判断。受講者の方たちも、なんかスッキリしたとか楽しかったと言ってくれてたので、ある程度は理解してもらえたのだろうと、納得した私でした。おつかれさーん。

それにしても、今日も体調は最悪・・しんどいは足腰は痛いわ・・・この痛さなんとかしたーい、いうことで放射線治療を受けてみることにしましたっとさ。

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