自分の顔は鏡なしでは見れないけれど、ましてや自分の心はもっと見えにくい。自分で意識できる自分の心と自分ではまったく意識できない自分の心。この辺りフロイトは無意識として概念しました。
なんであんなことしてしまったのか・・・・ついつい我慢できなくて・・・・考えてたら怖くて怖くて・・・・思考と感情の不一致がいろんなトラブルや苦悩を引き起こしてしまいます。けれど、自分の無意識については認識できていないから、多くの人は自分の感情や行動の原因を、自分の問題とはせずに相手の問題、状況の問題と理解し、状況や相手をコントロールしようとしてしまいます。この行動が対立や葛藤を引き起こし、暴力の原因にもなりえます。
というわけで、無意識を意識化するのがセラピーの基本と言えるのですが、もともと見えない無意識を見るのは簡単ではありません。顔を見るのに鏡が必要なように、見えない無意識を見るには、無意識を投影する鏡が必要・・・それは他者の反応もそのひとつ。
他者が自分をどう見るかどう反応するか、その他者の反応に対して自分の感情がどう動くか・・それは、他者との関係の中でしか理解不能。いくら本を読んでも、センセの話を聞いたところで、自分の感情の動きは理解不能。
というわけで、私のセラピーではグループワークも重要な手法ですが、みんながおバカな話を楽しんでたり、大笑いしてたり、神妙な表情をしてたりと・・・一見、なにをやってるか意味不明。
初めて参加された方は、その不可思議さに疑問を抱く方も多いみたいですが、何回か参加するうちに、自身の心の有り様の変化に少しずつ気づいていくことになります。数年も続けている方にはその意味も効果もよく分かるし、見えてなかった自身の無意識もしっかり意識化されて、自己肯定感や対人スキルも向上するというわけ。
なんだけれど、他人をコントロールすることにしか意識が向かない人はワークやカウンセリングで自分と向き合うこともなく、トラブルがこじれてますます困難が深まるだけ・・・こんな人にどうやって伝えたらいいんでしょ・・・はぁー