日本家族再生センター

関係依存ってなんだ? どうする?

先日、久々に来談されたDV男性。「しばらくうまくいってたけれど、また暴力してしまった、今度はもう離婚しかないと思ってる」とのことでした。夫婦で何度も話し合い、やり直そうと努力を続けたけれど、暴力が再発してしまったとのことです。こんな時、「DVはなおらないから離婚するしかない」と被害者支援で語られ、離婚に向けた支援が動き出すわけですが・・・・

なぜ、暴力的な関係になったか、それぞれの認知の歪みや価値観のズレに気づいてたか、自身の家族像と現実の社会のありようとの不一致に気づいているか、などなど、本質的な理解ができての離婚であればまだしも「あなたは悪くない」「別れたら問題解決」という乱暴で無責任な言説を信じてしまって離婚して、あげくに問題が変遷して、こどもに連鎖していくケースも少なくないでしょう。

その方も、あれこれ努力されてたけれど、(確かに努力が足りなかったと言えなくもないけれど)相手方(妻さん)の思い込み(私は悪くない、私は被害者)が強くて、妻さんは彼を激しくコントロールしてられるようです。妻さんの傷つきや痛みはわかるのですが、その気持ちを怒りで夫にぶつけることでしか、解消の仕方を知らないように感じられます。

傷つけられた相手に優しくできるほど、彼も人格的に大きな器を持っているわけでもなくて、耐えることでやり過ごしてきたけれど、溜まってた怒りが、あるきっかけで爆発してしまったとのこと。

お互いに距離を置いて、依存的な関係を終わらせないと解決しないよ、と助言はしてたけれど、自分と向き合うのは辛いし難しい、一人ではできないのも当たり前。ましてや、自分は悪くない、自分の怒りや暴言は、DVではない、と思い込んでる妻さんにすれば、自分を変えて問題解決するということ自体受け入れられません。傷ついた私がなんで努力しなくてはいけないのか、加害者が反省して自分を変えて、夫婦関係をよくすべきだ、との思い込みです。

この妻の思い込みがそもそも誤りであって、DVでもモラハラでも、相互の関係の問題、それぞれの認知や価値観の問題があり、そこを無視して相手にだけ問題を転嫁して攻撃すればするほど、関係は悪化していくのは当然のこと。こんな関係はそれぞれに関係依存に陥っていて、共依存という関係になっています。

とりあえず、相互にコントロールしあえない距離感を作り、自分の問題と向き合い、その後にお互いのズレを確認し、関係を再構築していく、そんな支援が本質的な支援になります。けれどそんな修復的な支援をする人はほとんどいません。

その彼だけではなくて、実はこの数日、多くの方から似たような問題の悩みを聞かせていただきました。共通して言えることは、共依存の関係から抜け出すのはとても難しいということ。相手の問題もあるけれど、自分の問題と向き合うだけの力が育ってない、あるいは夫婦生活の中で奪われた、ということなんでしょうねえ。そのあたりを適切に支援することのできる援助者って・・・いないんよね。

 

 

 

 

 

 

 

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