日本家族再生センター

支援者と当事者と・・その権力構造を排する支援の試み

メンズカウンセリングでは、個人に発生する困難や病理は「個人的なことは社会的なこと」として困難の原因を社会の差別抑圧を伴う権力構造にあると認識しています。が、それはフェミニズムの言うところのような性別の問題ではなく、関係における力関係・・すなわち権力構造そのものにあると考えます。

セラピーにおいても「セラピーに権力構造を持ち込まない」としてナラティブやオープンダイアローグなどでは、極力セラピストとクライアントの力関係が権力構造にならないように留意しています。

が、セラピストの人生とクライアントの人生がセラピーの場で交わる時、社会に抑圧された人生と抑圧されずにむしろ知識や資格などの権威によって抑圧する側の人生が、すでに権力構造を伴って交わらざるを得ないのです。セラピーに権力構造を持ち込まないという言葉自体が既に矛盾を内包しているのです。私流にいえば「そんなのお為ごかしの茶番だわ」なのです。

その矛盾を回避する支援としてありうるのが「当事者性の支援」です。当事者の当事者による当事者のための支援です。それを実現しようとしているのがメンズカウンセリングです。セラピストもクライアントも同じ地平を生きる当事者であり、共に癒され、育ちあい、学び合う、そんなセラピーを目指しているのです。

とはいえ、渦中の当事者と回復した当事者とさまざまな点において優劣や正誤の判断に際して権力的なコントロールを用いざるを得ない状況があるのも事実でしょう。その際に無自覚にコントロールするのではなく、ギリギリまで力によるコントロールを排して関わる、その困難を引き受けるのもまたメンズカウンセリングのテーマです。

ナラティブセラピーが社会構成主義心理学として、ポストモダンの価値観によって成り立っていて、既存の社会の価値観に対する脱近代の思想・・社会の価値観、常識や正義、法制度などなどさまざまな当たり前として私たちが疑うこともなく内面化している、思考様式やはては心理的な情動の領域までも、それってほんと? と自らの存在を再構築していくそんな思考様式を伴うのがナラティブと理解しています。

さらにその価値観の先にある、徹底した権力社会に対する脱権力の生き方やらセラピーのあり方を模索するのがメンズカウンセリングでしょう。常識の中に無自覚に生きている多くの人々にとって、その概念を理解するのはほとんど無理でしょうけれど、問題を抱え底打ちした当事者にとってはとてもよくわかる(かもしれない)セラピーといえるかもしれません。

そんなことをメンズカウンセリング協会の支援者や支援者を志す人たちが学ぶための場である「認証研修会」が先日開催されました。参加者はオンライン含め十六名・・これまででもっとも参加者が多い研修の場となりました。

メンズカウンセリングの支援者や支援を学びたい人たち、はたまた渦中の当事者もいたりして
、とてもホットでわかりやすい、学びの多い七時間になったと思います。そこに残された課題もまた会員が癒されたり成長するための大切な糧として会員の成長に寄与することと思います。

ランチは夏野菜のカレー・・

今日はこれから女ワーク・・どんな集まりになるのかな・・楽しみ♫