日本家族再生センター

笑いと回復・・・DVもね

昨日の目黒セッション・・9時の「ジェンダーと福祉」の講義からスタート。先進諸外国はどこも非嫡出子の割合が半数近くになっているのに、日本は半世紀前のまま2%台という状況の意味付けから始めた講義は、今の日本人の性意識や家族意識の虚構を説明するものでした。

性犯罪や虐待、殺人事件や傷害など、多くの重罪犯がこの半世紀で十分の1ほどに減少していることなどについても、統計で説明しました。多くの人は意図的に流されるマスコミ報道に感情を掻き立てられ、冷静な判断ができなくなっているけれど、そんな状況では、問題の解決も予防策も考えられず、支援や更生の名の下に利権構造が作られるのに加担するだけ。

当事者が救われ、暴力や犯罪の加害者にも被害者にもさせない当事者のための支援には何か必要なのか、一時間半ほどを大急ぎで話させて頂きました。

そんな講義の後は、ジェンダーとセックスの自認について座標で確認していただくワークを行いました。男らしさや女らしさも、人それぞれで、二分できるものではないし、他人にとやかく言われるものでもありません。「私はただ一人の私。私のあるがままでOK」というのが心地よい性概念。なんだけれど、まだまだ、旧来の近代的な意識が、自由な性意識を抑圧し、いろいろ葛藤を生じさせているのが現実。

お昼からのワークはさとうさんのファシリのボデイーワークと、「今年失ったものとえたもの」なるワークで、一年の総括をして頂きました。失ったという表現ではなく手放したという方も多くおられたし、得たものもたくさんあった一年と話された人も多くいました。

別居とか、離婚で傷ついてる方はとかく失ったものにばかり意識が向きやすいけれど、実は得たものもたくさんあることになかなか思い至りません。その辺りに気づくと、自分の気持ちのありようも変わってくるというもの。

そんなワークをあれこれ行いましたが、いつもながらにワークはおバカな語りと笑いに溢れる明るい空間でした。DVの加害者と被害者がいて、引き離しにあってる人や、引き離した側の人たちもいて、いろんな子供もいる・・・なのに重くも暗くもならないそんな混沌としたワークの場です。とは言ってもその雰囲気は見てみないとわからない・・・のでしょうねえ。

先日のグルメナイトでも、何人かの参加者が話してたのは、「よそのプログラムに参加したけれど、そこでは正しいことを話し合うけれど、ちっとも楽にならないし、何しにきてるのかわからなかった」と話されていました。「自分たちは犯罪者、一生償って生きていかなくちゃならない」なんて正論を述べたところで、自分の気持ちも行動も変わるのかどうかもわからない、そんなモヤモヤばかりが残って辛かった・・と。

けれど、私の行うワークは、善悪では語らないし、誰も責めないし批判もしません。反省も求めません。それは脱暴力や回復には役立たないからです。脱暴力や回復に必要なのは、自己肯定感やコミュニケーションスキルを向上させること。対立と支配に関わる情動を減じ、共感や相互理解に関わる情動を強化すること。そのためには、ファシリテーターが徹底してパワーコントロールを排し、understandの立ち位置で、当事者と接すること。痛みや不安の情動を刺激するのは極力控え、感謝や喜びの情動を刺激することでしょうか。というわけで、私のセッションではおバカな語りや笑いが溢れることになつています。加害者、被害者がこんなに楽しそうにしてていいんかい?  いいんです。回復し脱暴力するのですから。