日本家族再生センター

変われる女、変われない女・・・

一昨日は変われる男、で書いたけれど、夫婦の問題は男だけの問題ではなく、女も問題の当事者であり、加害被害は単純に言えません。世間では、男が加害者で女は被害者というバイアスがあり、女性支援では「あなたは悪くない」とだけ言って、問題を全て、加害者である男が悪いとして男に転嫁してしまいます。

で、それを真に受けた女は、私は悪くない、悪いのは全て男、と誤った認知になってしまいます。人間関係は単純に善悪で動いてるわけではなく、それぞれの情動やら認知やら、さらに背景としての文化やら親族の影響など、本人の意思ではどうにもならないことでも動いてると言っても言い過ぎではないでしょう。

結果、相手が悪いと全ての問題を相手の問題にして責め合っていれば、自分は正当化できても、相手との争いは激化し、相互不信が深まり、傷つきが深まるだけ。その問題は子供の人生へと不幸が連鎖してしまいます。

というわけで、男性女性、加害被害問わず支援している私は、男性加害者女性被害者との前提にも立ちませんし、個々のケースでもどちらが悪いか、などとジャッジすることもありません。全てのケースにおいて言えるのは、それぞれの人格的未熟さがあること、自己肯定感の低さ、コミュニケーションスキル・対人スキルの低さがあること、それぞれの文化的差異、価値観のギャップがあることなどでしょうか。これは個々人の個性、性格だけではなく構造的な問題が大きく影響しているとも言えます。

なのに、問題を全て、加害男性の意識や行動に還元してしまうのは、問題の本質を見誤らせ、解決を難しくするだけではなく、傷つきを深め、不幸の世代連鎖を招いてしまいます。

というわけで、女性に「あなたは悪くない」と言うだけでは無責任だと私は理解するのですが、私は続けて、「これは善悪の問題ではなく、構造的な問題であり、当事者全てがその構造的な問題を抱えているのです」と説明します。要するに、彼もそしてあなたも、問題を抱えていますよと。

暴力とは何なのか、そしてパワーコントロールする・されると言うこと。自己決定、自己責任ということ。依存と自立ということ、トラウマや自己肯定感のこと、家族役割や労働環境の問題などなど、DVやモラハラの原因に対する理解なくして、問題の解決もできないし、癒しも回復も見込めません。

「あなたは悪くない」のあとに全て男が悪い、男と別れたら問題解決する・・かのごとく支援プランが組まれるのは、暴力的で破壊的、支援とは言えない支援と言えなくもありません。実際私のところにこられる多くの女性の語りはそれを実感させます。別居、離婚後の生活の困難や、夫の追跡や攻撃に対する不安、子供の養育の負担、子供の心理的不安定化、などを抱えながら、逃避先の人間関係の絶たれた環境で孤立して生活しなくてはなりません。これは大変なことです。

自分の問題に気づいてなくて、その問題を抱えたまま、離婚しても、いずれ問題が発生し、誰かに依存すれば、再度DVの被害を受けてしまうことになりかねません。ですから、離婚するにしても自分の問題を終わらせ、対立や不信を終わらせ、育児や面会に関して、協力し合えるような関係を構築して離婚できれば、双方の離婚後の生活や育児に負担がかからず、問題の連鎖も防げます。

こんな離婚を修復的離婚と言ってますが、修復的離婚を達成するには、問題の原因や対策について相互理解が進むような支援、修復的支援が必要です。けれど、弁護士や司法関係者は、法的決着を求めて対立や不信感を煽るだけ。心理的な解決をかえって難しくし、結果お金の結論だけしか出せません。

こんな現実に対して、違和感を感じた女性が私のところに来られますが、私は善悪では語りませんし、様々な問題を解説しつつ、本人の抱える様々な問題が終わるよう、必要に合わせていろんな支援を提供します。カウンセリングはもちろん、シェルターやらグループワーク、キャンプセラピーやグルメナイト、調停やら訴訟に対するメンタルサポート、面会交流支援・・などなど。ワンストップで支援を受けられます。

こんな支援を受けて、成長し力をつけた女性は、夫からのパワーコントロールを受けなくなるし、依存的でもなくなり、自己決定、自己主張もできるようになります。夫もこちらの支援を受けていれば、カップルカウンセリングもできるし、少しずつ、相互の対話を深め、別居や離婚も含め、その夫婦の最善を納得して選べます。

けれど、こんな支援に繋がれない多くの女性は、対立や不信感を深め、自分の問題にも気づきませんから相手を責め、自分を正当化するばかり。夫だけでなく男性一般に対する不安や恐怖を募らせ、さらに依存的になりやがて虐待に陥ったり、病理化したりということにもなりかねません。これでは、なんのための別居なのか、離婚なのか・・??ですが・・。

昨夜のシェルター定食はベーコンあさりのリゾットとポトフー、たらのバターソテー、デザートはイチゴケーキでした。