日本家族再生センター

男もシェルターが必要・・・

先日、十日ほどシェルターを利用してた男性が退所されました。家族との葛藤が高ずるだけでなく、家を出るしかなくなったけれど、心身ともに疲弊してて、しばらく休める所、回復や人生の再構築のための支援を得られる所・・そんな所はどこにもなくて、たまたまネットでこちらにつながってこられた方。

シェルターに入ってからは、気がゆるんでか体調が一気に悪化してしばらく寝込んでおられたけれど、誰にも邪魔されずに休めたのも良かったようで、一週間ほどで動けるようになって、将来の生活のための活動を再開されました。家族や過去の人間関係からは一線を画し、自分の人生を再構築するとても大切で大変な作業です。

私は特に何かするでもないけれど、食事のお世話とか、ときどき状況をお聞きするとか、みまもり励ますだけ。あとはその方の自助努力であり自己決定です。そんなこんなが功を奏して、新しい生活のためにシェルターを出られたというわけ。この間二週間とすこし。

女性のためのシェルターは全国にあるけれど、男性のためのシェルターはほとんどありません。妻の暴力から逃れたり、保護命令を出されて行き場の無くなった男性にとって、お金や心身の状況、支援者の不在など条件が悪くなると、行き場もなくなり心身も悪化し、問題解決どころか状況は悪化し病理化したり、犯罪化したり、家族に取っても社会に取っても、不利益な状況になってしまいます。

なのにねぇ・・・妻の暴力から逃げる弱い男、暴力で妻に逃げられたDV男、そんな男に支援は不要、困ればいい、自業自得・・との認識が社会にあるのか、男性支援の概念もなければ男性支援の論理も実践者も不在です。

そんな中、男性の利用できるシェルターの運営を始めて十年ほど。多くの男たちがシェルターを利用し、人生や家族の再構築を達成してきました。ありがたいことです。

とはいえ、こちらには行政権もなければ医療に関する権限もなく、もちろん財力もありません。自立の支援でできるのは、ワークやカウンセリング、生活の支援やみまもりだけ。またある程度の利用料の負担をしていただくことが前提となります。この範囲の支援で追いつかない方には、シエルター利用はお断りしているし、その判断には面接相談が不可欠。しばしば、シェルターにすぐに入りたいけれど・・と連絡いただくことがあるけれど、申し訳ないけれどどんな方であれ、その確認ができない方にはシェルター利用はお断りしています。

とかなんとか・・それでも、困難の渦中でギリギリの所にあった方が心身を回復させ人生の再出発をする、その見送りは私も元気と勇気をいただけるようで、ありがたいもの。こんな支援ができる男性支援・・・私以外にもやれる人がたくさんいればいいのに・・と思うけれど、まともな男性研究もなければ、男性支援論もないしねぇ。

多くの支援者がメンズカウンセリングでそのスキルや知識を身につけてほしいもんだけれど・・はぁー

ある日のシェルター定食は天ぷら定食・・・