日本家族再生センター

加害者を責めてもねぇ・・・・解決しないし

私のところでのカウンセリングはこの十五年を通して女性45%男性55%程度で推移してたけれど、昨年は件数が増えたぶん女性の来談が増えたようで昨年一年を見てみると女性53%男性47%と男女比が逆転しました。

女性の多くは夫婦間の問題の当事者であり、いわゆる被害者もいれば、加害者と言われる方もいます。被害者の方は、世間の被害者支援に納得できずに私のところに来られるわけですが、女性加害者と言われる方は、世間には受け皿も窓口もなく、幸運にも私のことを知った方が私の支援を求めてこられます。

そもそもこれまでのDV支援は、加害者は男性、女性は被害者でしかありえない、と明らかに事実と異なる認識で支援が形作られてきました。かなり以前から内閣府の調査で被害の男女比は 2 : 3.5であることがわかっています。けれど、キャンペーンでは三人に一人の妻が夫に暴力を受けているとだけ言って、五人に一人の夫が妻から暴力を受けているという事実は伝えられません。

このような歪んだ支援だから、男性被害者の支援が世間にないように女性加害者の支援もありません。もちろん、世間では女男にかかわらず、加害者に対する支援という意味もわからないようで、加害者は処罰すべきで支援は不要、被害者優先、と言う言葉で加害者支援は否定されてきました。

また支援という意味ではなく、被害者のための加害者更生という意味で加害者プログラムを行う団体も出てきました。が、思想的には私のプログラムとは全く異なります。私は加害者と言われる方たちに対する処罰や教育、治療に興味はありません。それらは無意味だからです。ほとんど脱暴力には寄与しないと判断しています。

加害者が加害者になるプロセスは生育の問題、貧困や差別、暴力や虐待の蔓延する環境での傷つきと無関係ではありません。生育の中で学んだ暴力を防衛としてふるってしまうという連鎖の問題があります。この辺りにフォーカスしないで、教育しても治療しても、脱暴力のふりをするだけ、巧妙な加害者になるのがオチ、というのもありえます。

というわけで、私はいわゆる加害者に対しても被害者に対しても、支援を提供します。その方が人生をやり直し、よりよい人生を生きるために、より幸せになるために。加害者が真に脱暴力し平和な人生を選ぶことで被害者も恐怖や不信から解放されることが可能になります。真のDV防止は加害者の脱暴力が不可欠でしょう。なのにDVは治らないと、加害者を野放しにしてたり、有効性の低いプログラムを前提に語ります。被害者がいなくなると被害者支援組織は困りますからねえ。

何れにしても、加害被害にかかわらず、両当事者に対する「支援」がDV問題の解決には不可欠なんだけれど・・・そんな支援をしている人って私だけですしねえ。

先日も加害女性のお話を聴かせていだきました。パートナーに家を出られて初めて、自分の問題に向き合うことができた、けれど世間にはそんな自分に対する支援がなくて絶望的になってたとのこと。たまたま、その方のパートナーは私の支援を求めてこられたのでご本人も私につながることができたわけだけれど、分離・遮断して被害者の保護・逃避だけを私がおこなってたら、加害者としての彼女は私につながってこれないわけで、彼も逃げ続けるしかなくなります。これでは誰も幸せになれないけれど・・・世間ではそれが当たり前なのが不思議で不思議で・・。

まあ、加害者支援についてなにも知らない世間の支援者や、DV問題はもちろん、ジェンダー問題についてまともな研究もできない専門家の言説、バカな行政の態度などに惑わされることなく、私は私の信念に基づいて誠実に支援をつづけてきたしこれからも続けていくしかありません。ひとりひとりがみんな幸せになれるように・・誰も傷つかなくて済む世界を作るために・・ね。

どこから来たのかクモのこども

ナデシコも満開、ミニバラも咲き始めました