日本家族再生センター

DV・虐待・・他人事 ? 当事者になってわかる現実

昨日は某法科大学の夏季セミナーで90分授業の講義を三コマ話してきました。テーマは「ジェンダーと法」です。

法は社会秩序の維持に不可欠なものですが、社会の変化に応じて法も変えていかないと、法が社会秩序の維持に役立たないばかりか社会秩序の混乱を招きかねません。

そのために法をより良い法に変えていくのが立法府の役割。国会です。ですが、ご存知のように今の国会は党利党略の利権集団と化して、国民のための法を作っているようには思えません。

けれどそんな国会の議員を選んでいるのは国民の選挙です。国民が自らの投票行為と、自らの享受すべき人権の因果関係を理解してなければ、国民のための法改正にはなりません。なのに残念ながらバカ議員しか選べない今の日本の国民。

昨日の講義のスタートは各国の婚外子割合の説明から。フランス58%を筆頭に、欧米先進各国は30〜50%程度に増加しています。

結婚することや家族することの意味が世界的に変わりつつあるということです。国家が家族を守るという概念から個人を守るという変化の流れです。一人一人の価値観の多様性、家族形態の多様性を認め、みんなが平等に生きていける社会に変化しつつあるということ。翻って、日本だけは婚外子割合が増えるどころかむしろ減少し数パーセントという状況が続いています。でき婚という言葉がその象徴・・。

日本人の家族のあり方・・・ここには、戸籍制度、婚姻制度、単独親権、性規範、性別分業意識、など明治以来の近代化政策に縛られた国民の意識や法制度があります。

そして、DVや虐待、殺人や傷害事件、自殺や引き離し、など家族をめぐる問題について多くの人は、その背景の社会の問題について理解してないので、問題が起こった時、誰かが悪いと悪者探しをし、悪者を制裁したり排除することで問題解決すると誤解しています。その流れは厳罰化という形で現れています。

事件事故、家族の問題について、問題解決するにはその本質を理解し、根本的な対応が求められるのですが、人権を守るための法律がどうあるべきか、ということを考えるのもその大切な作業の一つ。そのために法律と人々の暮らしとどう関わるのか、冷静に判断するための材料を提供するのが昨日の私の仕事。

けれど、法科大学といえど、学生の意識はさほど高いとも思えず、私の話がどこまで通じているのか・・・まさにDVも離婚も引き離しも他人事・・・

マスコミが真実を伝えないことの危うさを感じないではいられません。彼らは社会病理について、人や家族の闇について、何も知らされてないし、自分で考えるトレーニングもできていません。

他人事で考える彼らが、様々な真実について真剣に理解しようとするのが当事者になった時だとすれば、少々胸痛みます。願わくば、当事者になる前に人生の選択を誤らないだけの知識を持って欲しいもの。結婚はゴールインではなくて茨の道のスタートだからねっと釘をさしておきましたとさ。

大阪から帰ってシェルターの晩御飯を作った後は男ワーク。子連れのパパや初参加の方もいて十人ほどの集まりに。ファシリはテルさんお題は「私の再生家族」でした。

 

これから作るとしたらどんな家族か・・・多かったのが気持ちをちゃんとやりとりできる関係、というもの。怒りや悲しみも、アサーティブに伝えることの意味をしっかり学んでおられるようでした。

さすがに当事者の苦しさを体験した彼らは他人事ではなく、自分の気持ちと向き合い、家族みんながしあわせになれる家族あり方について真剣に語り合いましたとさ。