多くのクライアントは状況の困難さを私に語るけれど、カウンセリングを重ねるうちに、結局状況の問題というより本人の感情の問題に行き着きます。
人を悩ませる感情もいろいろあるけれど、よくあるのが不安妄想やら嫉妬妄想。先日も嫉妬妄想に苦しむ方のお話を聞かせていただきました。
不安妄想にしても、嫉妬妄想にしても、私も当事者体験があるので、その辛さはよくわかりますし、それが簡単にはおさまらないこともよくわかっています。
ですから、簡単に「もう忘れたら?」とか「あまり気にするなよ」「次行けばいいよ」なんて言葉が全く無意味ってこともよくわかるし、ただ傾聴し共感するだけではなく、私自身の不安や、嫉妬、心の痛みを語ったりもします。
そして、それらが簡単に消したり、無くしたりできない時は、それらの感情と折り合いをつけながら、不安や痛みと共に生きていく・・その意味を見出すことができれば、人生も悪いものではないし、必ずしも不幸になるわけでもありません。私が癌細胞と共に生きているってのと似たようなものかもしれません。
そうそう、その嫉妬妄想に苦しむ彼から今日は、いつもの嫉妬とは違う、相手に対する思いやりや、感謝の思いを聞かせていただくことができました。長い時間がかかったけれど、彼の成長に私の思いも重ねて、セラピストとして、そして人を愛することのできる私としてのささやかな喜びをいただいたように思います。彼にも感謝ですね。