日本家族再生センター

深掘りできる語りの場・・・生育の物語の書き換えのために

昨夜のグルメナイト、出足は悪く開店一時間後もお客さんはたったお二人・・・。まあ、私は楽ちんでいいけれど、このまま開店休業状態だと、あまった食材の処分に困るとか、材料費もまるまる赤字になるとか・・そんな問題もあるけれど・・・・幸い開店二時間ほどからはぼちぼちお客さんもやってきて、少しずつ賑やかに。

 

で、あまりメニューのオーダーもないので私はゲストの皆さんの語りに耳を傾けることに。

で、いつもはおバカな話題で自分の語りを深めない人が、ふと、自分の生育の問題を語り出して、その方の問題行動の根っこの部分に自己洞察するだけでなく、それを語ることでその人生の尊厳を他のゲストにも伝えることができたのかもしれません。

私たちは、日常的には蓋して記憶にものぼらない、けれど、その人の情動には大きく影響する過去体験やその時の感情について、ほとんど語ることはありません。

けれど、その語りは人生物語りの書き換えにはとても大切で、必要不可欠。けれど、それは日常ではあり得ないし、形式的なスキルだけのセラピーでもありえません。酒を飲んでも、酔っておバカな語りをしても、場が荒れたり緊張が走ったりすることのない、しかもおバカだけで終わらせない、語りを深め合える場の力が重要です。

昨夜のグルメナイト、はじめてから20年ほどになるけれど、その間人の出入りはあるものの、コアメンバーによって引き継がれてきたその力が少しずつ蓄積されているのかもしれません。そんな力によって蓋してた記憶の底の語りが引き出されるグルメナイト・・なんとも不思議な空間です。

そんな場は加害者被害者性別年齢関わりなくさまざまな当事者が関わることで初めて成立するのだろうと思います。もちろん、このグルメナイト、グループワークやカウンセリングでかなり力をつけた人だけの参加の場であり、一般開放しているわけではありません。危険ですからね。でもねーほんとセラピストにとってはとても興味深い空間だし、どこにも存在しない稀有なセラピーメソッドだわ。