昨日は毎年恒例の保育専門学校での人権講座のおしゃべり。テーマは性差別だけれど、性とは何かから、性をめぐる犯罪、DVや虐待、引き離し問題など、性や家族をめぐる様々な現実やその原因である、法律や制度についてもおしゃべりしました。
講義は「家族ってなんだ」のワークシートや各国の婚外子の割合などのデータをみてもらうことからスタートしました。
世界各国ではこの半世紀の間に家族意識がどんどん変化し、婚姻外で子供を産む割合が増え、フランスでは60%、米国では40% なんとチリでは70%ほどの子供が婚姻外で産まれています。その意味はさておき、そういった世界の潮流について、若者はほとんど何も知りません。なんせ日本はその半世紀、婚外子割合はほとんど増えることなく2%ほどで推移し、結婚して子供を産むのが当たり前でそれ以外の選択肢があることすら知らないのですから。
また、世界は共同親権、共同養育に移行していったのに日本だけは相変わらず(離婚後)単独親権を維持していて、親子断絶を法律や司法が率先しているという現実についても、若者はほとんど何も知りません。
多くの若者が、家族生活に関わる制度や法律についてほとんど何も知らないまま、ブライダル産業やマスコミの家族幻想に踊らされて、結婚したり、時にはでき婚したりですから、結婚後に問題が起こるのは当然です。
なのにその原因もわかってないから、相手が悪いと問題を相手に転嫁し、離婚ビジネスのカモにされて、ボロボロに傷つくのも当然と言えば当然。
子供の頃から、その辺りについてしっかり教育されてたら、性や家族をめぐる不幸は回避できると思うけれど、今の文教政策はそれをやらないんよね。国民が賢くなったら困るんでしょうねえ、今の政治家や財界にとって。国民が無知なほうが支配しやすいからね。
まあ、私がしゃべったのは一時間半をふたクラス。たかだか90分で伝えられることはしれてます。あまりに世間の常識とはかけ離れた現実を語ったのですから。若い彼らがそれを理解し受け入れるのも難しいのも当然です。けれど、将来彼らが何か困難に遭遇した時に私の言葉を思い出してくれたらありがたいと思う私。
講義の後に、二人の学生がやってきて、何かあった時にとか知らせたい知人がいるからと名刺を求めてきました。その方、離婚されてる方とか。やはり当事者になると気がつくし、私の言ってることも通じるんですよねぇ。