昨日の代々木セッション・・・朝はミニ講座「権力と支援」についておしゃべり。DVや虐待、精神病理など家族をめぐる問題についてその現実と支援における矛盾についておしゃべり。
差別的抑圧的構造を内包する社会構造の中で支援を行うとき、支援の理論もまた社会構造の価値観に従わざるをえません。この辺りは、社会構成主義の考え方と言えます。その考えに基づいてセラピーを行うのがナラティブセラピーです。
けれど、社会的抑圧構造の中で抑圧を受ける者と抑圧をする側の者という立場の違いを、セラピストとクライアントがどう乗り越えて、物語を共有するか、ここには大きなハードルがあります。それを乗り越えるのはクライアントの問題ではなく、セラピストの問題でしょう。
その問題を解決する理論がメンズセラピーだと、私は考えています。「男性の」ではなく「男性論による」セラピーです。
けれど、日本の男性学研究者はすべからくフェミズリしてて、真に男性論を実践している研究者は不在です。その男性論に基づいてセラピーを行うのは残念ながら私だけ。複合的支援を行うのは多分世界でも私だけかもしれないと自負しています。その実践の場として、昨日の代々木セッションも存在します。
で・・・
ほんとに人生も家族の形も正解は有りません。「私」がどう生きたいか、「私はどんな家族を作りたいか」そのことの中にしか答えはありません。その答えを自ら出すための支援がメンズカウンセリング、メンズセラピーなのでしょう。