私のクライアントの方で、しばしば精神科の治療を受けてたとか受けてるとかいう方もおられます。眠れないとか、鬱っぽくてしんどいとか・・・不安で仕方ないとか・・・そんな方は心療内科とか精神科にかかって、それなりの服薬を受けて、症状緩和したり、あまり効かなかったりとか、いろいろ。
けれど、きほん薬は脳内の神経細胞に働きかけて、様々な神経伝達物質を抑制したり促進したりして、本人の心の状態を変化させます。もちろん、それはそれで必要なことなんでしょうが・・・本人の体験や記憶、トラウマや認知などを変えることはできないし、本人をとりまく状況も変えることはできません。ですから、問題の本質的な解決は投薬では無理、と私は考えます。
で、私の考える本質的な解決というのは、トラウマを含め、過去のさまざまな体験やその時の感情とその記憶・・について、長年蓋してたその記憶の蓋を開け、体験を語ったり追体験をしながら、その体験の意味や付随する感情を別のものに置き換えていくこと・・過去の体験は変えられないけれど、その意味は変えられる・・ということ。
それを可能にするには、追体験する時に過去と同じような痛みや恐怖を感じないで済む状況設定をセラピストが構築していることが不可欠。そのためには、どんな語りが語られてもセラピストは動じることなく、冷静に対応しクライアントの心を安心とか満足という状況にすべく共感し、共にあることをクライアントに感じさせ得る、人格的能力が求められます。このあたりの力って心理学のテキストで学べるものではないし、他人事の知識では対応できません。回復当事者の可能性を除いてね。回復当事者は他人事ではなく、自分のこととしてクライアントの語りを聴くことが可能だしね。
そんなセラピストの受容的・共感的対応や言葉掛けの一つ一つが、クライアントの心に作用し、本質的な問題解決に向かわせるのです。医薬では変えられない、クライアントの心を少しずつ変えることが可能です。そんな言葉のお薬・・処方できるセラピストっているのかな・・今の腐り切った権威・権力構造に絡め取られた世界で仕事している多くのセラピストにはできないだろね・・・だから私は回復当事者にその可能性を見出しているのです・・・が・・これも難しい(笑)
それを目指して、七月から勉強会をスタートさせるけれど・・どうなることやら。
自宅生垣に実りつつあるブラックベリー・・甘酸っぱさがおいしい