このところ、カップルカウンセリングが何件か続きました。みなさんおっしゃるのは、二人だけだったら、必ずもめて余計にこじれたけれど、味くんに間に入ってもらうと、なぜか対話がスムーズにできて、冷静に判断できるから不思議・・・と。
カウンセラーがどちらか一方だけの話を聞いて、共感し助言するのは難しくありません。そのひとりの物語に寄り添えば済むことですからね。けれど、私のようにいわゆる加害者とされた方と、そのパートナーの方と両方の支援を行う人は、それぞれの話を共感的に聞かなくてはなりませんし、それぞれと信頼関係を作らなくては支援が進みません。
けれど、それぞれの物語が全く違う物語であり、相手を悪者にした物語がほとんどです。で、双方の物語の矛盾を私は抱え込むことになります。こう言った場合、どちらが正しいのか見極め、正しいことには正しいというべきという世間の価値観があります。けれど、それでは双方の信頼は得られません。
で、私は善悪とか正誤の価値観を持ち込みません。それぞれの物語について、それぞれに語ってもらうけれど、自分を語る、自分の感情を語ることをお願いします。相手のことを語りはじめたらそれであなたの気持ちはどうでしたか?と常に自分を語るように対話していきます。
さらにそれぞれに相手の語りを聞いて、どういう気持ちになったか、感情の変化について確認してもらいます。相手に正しく伝わってないなと私が感じた時は、通訳のようなこともしたり、比喩で説明したり・・・。
この作業を続けて行くと、不思議と相互理解が進むようで不信感や怒りが少しずつおさまって来て、相互の妥協点とか納得できるアイデアがてできたりもします。
とは言え、相手にたいする思い込みというか、執着が強すぎたり、自分の感情に蓋し続けている方については、自分を変えることに意識が向かず、相手を変えようとする意識に縛られて、なかなか対話が前に進みません。そういうカップルもたまにはいるけれど、そんな人が多いというわけではありません。
先日のカップルも幸せになってくれるといいな・・