日本家族再生センター

事件は起こるよ、いつまでも・・・

先日もすぐ近くで痛ましい事件が起こったけれど、被害者の方の苦しみは尋常なものではなかったろうし、遺族の方たちの痛みを思うと言葉も出ません。今はただ、このような事件がこれからは起こらないで欲しいと願うばかりです。

ですが、多くの困難の渦中の方のお話を聴き続けてきた私には、これからもまた、こんな事件は起こり続けるだろうと、醒めた判断をせざるを得ないのも確かです。

事件を起こした犯人の動機はまだ確認できていませんが、人物像はかなり明らかにされつつあります。近隣住民とトラブルを起こしやすかったとか、本人の作品をパクられたと思い込んでいたとか・・犯行のプロセスも計画的なんだか杜撰なんだか、おバカなところもあるし、理解しがたい一面もあるようです。

で、こんなわけわからない異常な人物だから、こんなとんでもない事件を起こしたと結論付け、そんな人をいかに早く見つけ出し排除するか・・という思考回路になっていつの間にか事件も風化していく中で、不安と排除思想が拡散強化されていきます。

この短絡で誤った思考回路が、真実に対する理解を難しくさせ、本質的対応を不可能にしてしまいます。結果、問題の発生する原因もより強固なものになり、さらなる事件の発生を誘発してしまいます。

事件予防のための有効な手段は問題の根源を叩くことです。問題を個人の努力や忍耐に還元する自己責任論にすり替えるのではなく、所得格差の解消、労働条件の改善、福祉の拡大、一人一人が大切にされ、差別や偏見なく誰もが希望と尊厳を持って暮らせる社会にすることです。

問題を個人の努力や性格に還元しているうちは事件はなくならないということですね。で、社会を変える必要があるけれど、今日の投票結果は安倍自民が安泰で、多くの国民の皆様、社会を変える必要はないって選択したみたいだし、悲惨な事件も起こり続けるでしょうねえ。残念なことです。