日本家族再生センター

真実はどこに・・・

昨夜はナイトシネマ「怪物はささやく」を楽しみました。「孤独な少年と怪物による魂の駆け引きを幻想的な映像で描いたダークファンタジー」だけれど、善悪をめぐる戦いでもなく、恋愛妄想とも無縁、一人の少年の孤独と、その成長・・・などなど、とても深い物語でした。

少年の暮らす部屋からは墓地が見え、その中に大きな木が。少年は、離婚して難病に臥す母親と暮らし、学校ではいじめを受け・・そんな設定で話は始まります・・なんてくらーい。

その少年は夜毎悪夢にうなされてたけれど、ある夜木の化身の怪物が現れ、物語が紡がれ始めます。その物語とは・・真実を語る物語・・少年は自らの心に蓋してた真実に向き合わされます。

人にとって真実とは何か、嘘とは何か・・容赦ない怪物の問いかけに少年は、叫び暴れ、泣き・・苦しみます。その末に見いだす真実とは・・厳しい現実に向き合う勇気なのかもしれません。

残念ながら現代の多くの子供達、怪物に出会うこともなく、偽りの豊かさの中、真実に蓋したまま、現実から逃避し続け、大人になりきれず厳しい現実に生きることを強いられます。

自分がどこに生きてるのか、何をしているのかもわからず与えられた家族という籠の中で、役割を演じているだけ。これでは本当の家族の意味も人生の意味もわかるはずないし、傷つけ合ったり壊れたりするのも当たり前。

多くの大人にも子供にも見て欲しいなと思った素敵な映画でしたが・・