午前零時京都駅発の夜バスは七時間後に東京駅に
昨日は恒例の日本橋セッション。八時からのカウンセリングから始まって、九時のミニ講座は、ナラティブセラピーとメンズセラピーについて簡単ガイド。このころの参加者は男性ばかり15人ほど。
私のセラピーは、クライアント中心療法、ナラティブ、メンズ、などを中心に行いますが、基本節操はないので、使えるものはなんでも使います。このあたり、自分の学問的専門性にこだわる人には難しいことかもしれません。
さらに、セラピーを社会の差別抑圧構造全体を対象領域とするメンズセラピー理論で行うのは、どうも私だけのようです。日本でも、ひょっとして世界でも。こんな妄想チックなことについても少し話させていただきました。
ミニ講座の後はワーク「家族ってなんだろ?」を行いました。現代日本の家族をめぐる法律や制度、家族形態は、たまたまこんな形をしているだけで、世界的に見ればかなり異常と言えなくもないし、人類の歴史をみれば、今の常識が決して常識でもなんでもない、政策的に作られた恣意的な構造に過ぎないってこともあるのですが、そのあたり理屈ではなくて、実感として感じていただくためのワークでした。このワークの中で、中米のジャングルの部族を取材した経験のある参加者が「現地である少年にパパはだれっ?って尋ねたら、パパはイルカだよって答えたのが印象的でした」とネイティブな人たちと近代家族を生きる私たちの家族観の違いを感じさせるエピソードも聞かせてくださいました。
お昼からのワークは面会交流を兼ねた夫婦と子供や初参加の男性なども参加して二十人ほどに。ワークのお題は「自分の世界」。年齢と共に広がる世界・・空間も関係も・・その変化を座標に表して図表化し、何人かとシェアしていただきました。多くの参加者が語ったのは、結婚して家族を作ると自分の世界が小さくなっているという事実。物理的にも人間関係においても。閉塞的な家庭空間が家族間葛藤やストレスを生んでいるのかもしれない、そんな気づきも。
初参加の方は、「みんな重い体験をさらりと笑いながら語り合ってるのがびっくり」とメンズセラピーによるワークの雰囲気の明るさに驚いておられたのが印象的でした。
ワークの後はカウンセリングをいくつか済ませて、また深夜のバスに・・早朝の京都について、事務所近くの小川の土手に咲いてるヤブカンゾウを一本いただいて帰りました。